ダイエットの方法に運動をおこなうものがありますが、運動をすることで消費エネルギー量が増えるため痩せやすくすることができます。
その運動をハードにした筋トレ。
筋力トレーニングを取り入れたダイエットをしている人もいるのではないでしょうか?
でも筋肉が溶けてしまっているかもしれません。
筋肉が溶ける…。最悪じゃない…。スライムになるのかな?ヘドロになるのかな?
筋トレのし過ぎで筋肉が溶ける現象
CNNや米国医師会誌が発表したある症状に世界が仰天しました。ハードトレーニングをすることで筋肉が増えるというのがこれまで知られていたこと。
でも、筋肉が増えるどころか、溶かしてしまうというのです。これは命にかかわる病気につながる恐れがあります。
その病気の名前は「横紋筋融解症」。
筋肉を溶かす「横紋筋融解症」とは
筋肉が増えると熱を発生させる量も増えるため脂肪を燃焼しやすくなります。筋肉を増やすために過酷なトレーニングをしているにもかかわらず筋肉が溶ける「横紋筋融解症」とはどのような病気なのでしょうか?
「横紋筋融解症」とは骨格筋の細胞が融解、壊死することで筋肉の痛みや脱力などが生じる病気です。適切な治療を受けない場合、腎不全を発症し最悪の場合には死亡する例も確認されています。
融解した筋肉の成分「ミオグロビン」が血液中に流れ込み、急性腎不全や呼吸困難を引き起こす恐れがあり、多臓器不全によって深刻な障害が残ることもある重い病気になります。
ただ単に痛いだけではなく、さまざまな合併症があります。
横紋筋融解症は、特定の抗生物質を服用している場合や事故による外傷、病気の影響などが主な原因で発症するといわれていますが、筋力トレーニングで本当に筋肉が溶けてしまうのでしょうか?
米俳優のクリストファー・マイケル・エヴェレットさんという人がいます。エヴェレットさんは米国で流行している「SoulCycle(ソウルサイクル)」というハードトレーニングに初めて参加しました。
これはマシンを漕ぎながら上半身も動かすというかなりハードな運動です。
開始から5~10分ほどで太ももに痛みを感じたものの、あまり気にせず45分間のワークアウトをやり切りました。でも、翌日の夜には眠れないほどの激痛を太ももに感じ、足を確認すると2倍近くに腫れ上がっていたのです。
ひざも曲げることができず気分の悪さも感じたことで病院に行ったところ横紋筋融解症と診断されました。幸い早期の治療を受けたため、1週間の入院で済みました。
横紋筋融解症は兵士やアスリートに多く見られた病気でしたが、最近になり非常にハードなトレーニングを受けることが流行しているため、一般の人にも多く見られるようになってるのだそうです。
横紋筋融解症を予防する方法
横紋筋融解症を予防する方法はないのでしょうか?筋肉が溶けるということは、ダイエットでは痩せない身体になってしまうことを意味します。
米国医師会誌に症例報告を行ったアラン・コフィーノ医師は、ハードなだけでなく、身体が慣れている運動かどうかが重要だと語ります。
定期的に運動をしている人でも、それまで使っていなかった筋肉を酷使するトレーニングを始めると横紋筋融解症を発症するリスクが高いのです。初めてのトレーニングを15分行っただけで発症した患者もいます。
要するに、新しいトレーニングを始める場合はゆっくりと徐々に負荷を上げるようにしましょう。筋肉を溶かさないように身体を慣れさせていきます。
横紋筋融解症の自覚症状
- 筋肉痛になる
- 尿の色が赤褐色になる
- 手足が痺れる、力が入らない
筋肉が溶けるといっても、全身の筋肉がドロドロに溶けるようなことはありません。
この病気の怖いところは、筋肉が溶けてしまうという現象そのものではなく、壊死した筋肉から流出した成分によって腎臓などの臓器が障害されることにあります。
細胞に含まれていた「ミオグロビン」や「クレアチンキナーゼ」などの成分が流出してしまうことで血液中に大量に流れ込むのです。
大量に流れ込んだ「ミオグロビン」などの物質は腎臓の尿細管に沈着。すると腎臓の機能に障害をもたらします。
腎臓機能が低下をすると、老廃物が効率よく体外へ流れ出さないため、ダイエット面から見ても不利になります。
まとめ 稀に起こる症状、筋トレは身体に慣れさすことが大切
「横紋筋融解症」は様々な原因により発症するといわれていますが、極めて稀な症例です。初期段階で対応できれば重症化することもありません。
筋肉を鍛えることで脂肪を燃焼しやすくなります。筋肉を溶かさないためにもはじめての筋トレは慎重におこなうほうがいいかもしれません。