ダイエットをしているとよく耳にする言葉がある。「GI値」だ。一度は耳にしたことがないだろうか?
を意味している略語ではない。「ウィッシュ!」DAIGOの「DAI語」ではないのだ。ちなみに「DAI語」は漫画「おぼっちゃまくん」の茶魔語を参考にしているそうだ。
かつて一世を風靡した茶魔語である。真似をしていた人も多いのではないだろうか?
しかし、そんなことはどうでもよいのだ。
「GI値」はダイエットをしているときに、痩せるために重要な参考値になる指標である。詳しく見ていこう。
研究から見る太る食材と痩せる食材
GI値を紐解いていく。
米ハーバード大公衆衛生大学院に所属する研究チームが実験をおこなった。この実験で判明したことは、「野菜はちゃんと種類を選んで食べないと逆効果になる」ということだ。
いったいどういうことなのだろうか?
研究に参加した治験者は多い。計13万3468人の男女である。これほど多くの人からデータを抽出しなければ、割合的に適合性が取れないのだろう。彼らの健康データの中から、「特定の野菜・果物の摂取量・体重の変化」の関連を調べた。
すると、でんぷん質の少ない野菜を多く摂取する人は体重が減ることが判明した。その反面、でんぷん質が多く含まれる野菜を食べる人は体重が増えることがわかった。
また、果物を食べる回数が1日1回増えるごとに、4年間で体重が平均0.24kg減ることが判明。果物には果糖が含まれているものが多い。砂糖よりは太らないのだが、果糖の摂り過ぎは太る原因につながるといわれている。しかし、ほとんどの種類の果物を食べても太ることはなかった。
確かに「果物の果糖で太ることはない」というフルーツダイエット方法は存在する。その一方で太るという話もある。
人の体質・性格はそれぞれだ。そのダイエット方法に自分の体質・性格が合わなければ痩せることが難しい。苦痛になることで諦めてしまいやすくなるためだ。この研究結果では果物で太ることはないとされているのだが、一応、自分の体質に合わせて摂取量を調整するとよいだろう。
リンゴ・洋ナシを食べると0.56kg体重を落とすことができた。ベリー類では0.50kg。この3つの果物が特に体重を落としたとされる。
野菜はどうなのか?
果物はわかった。では、野菜を食べることでどのような変化をもたらしたのだろうか?
野菜も食べる回数が1日1食増えるごとに、4年間で体重が平均0.11kg減ることが判明した。大豆では1.12kg減である。カリフラワーは0.62kgの体重を落とすことに成功。
しかし野菜に関しては何を摂取してもよいというわけではない。見境なく摂取してしまうと「太る」。瞬く間に「脂肪さん、こんにちは!」だ。
「トウモロコシ・豆類・イモ類」は逆に体重が増加することを確認した。
トウモロコシは美味しい。コーンスープを口に含んだときに訪れる幸福な時間、トウモロコシにかぶりついたときに歯の隙間に粒が詰まる楽しみ。しかし、太る食材であるため注意が必要だ。
太りやすい食材、痩せやすい食材、これらの食材がGI値と複雑に絡み合う。
GI値とは?太るダイエットとの関係
問題のGI値である。
簡単に言うとGI値(グリセミック指数)は血糖値の上昇を示す値だ。
体重が増える野菜は、血糖値の上昇の程度を表すGI値が高いものが多いことがわかっている。体重を減らす効果のある野菜・果物はGI値の低いものが多い。
人は食べ物を食べると血糖値が上昇をする。血糖値が上昇し続けると身体を壊してしまうため、インスリンを分泌することで血糖値の上昇を抑えているのだ。人の身体は実に面白いバランスの上に成り立っている。
では、血糖値が急激に上昇する食べ物を摂取したときにはどのようになるのだろうか?簡単だ。急激に上昇した血糖値を急いで下げるためにインスリンが大量に分泌される。素晴らしい仕組みである。
しかし、ダイエット的に見るとデメリットになる。
インスリンは脂肪をつける効果も持っているためだ。血糖値の上昇が緩やかの場合にはインスリンの分泌も少ない。つまり脂肪なるリスクが抑えられる。その反面、血糖値が急激に上昇することで大量のインスリンが分泌され、その余った分が脂肪に回る。
おわかりいただけただろうか。
勘の良い人なら気づいたかもしれない。
GI値の低い野菜をたくさん食べるように心がければ、野菜を食べているのに太らないという素晴らしいダイエット生活を送ることが可能だ。果物は食べ過ぎなければ好きなものを食べてもよい。
GI値を意識することでダイエットの成功につながる可能性が高くなる。そこで気になるのが、どのくらいのGI値を痩せる参考値にしたらよいのだろうか?ということだ。
GI値の太る食材・痩せる食材の参考一覧
食品1つ1つにGI値があるのだが、すべてを書いていくと日が暮れる…、いや、日が暮れるどころではない。何年もかかるかもしれない。めまいがしてきそうなので、一部の食材を切り抜こう。参考にして、他の気になる食材を調べてみるとよい。
血糖値が上昇することで太ってしまうのを回避する理想なGI値は「60以下」とされている。要するに、GI値が60に満たないものを摂取していくと、脂肪がつきにくい体質にすることができる。
- トウモロコシ …69
- イモ類(ジャガイモ) …89
- ヤマイモ …74
- 大豆 …30
- リンゴ …34
- ブルーベリー …33
- スイカ …60
- チョコレート …90
- ショートケーキ …82
- 食パン …95
- フランスパン …95
- 餅 …85
- うどん …85
- ソウメン …80
- コーンフレーク …75
- パスタ …65
- 玄米 …56
- そば …54
- チクワ …55
- ツナ缶 …50
- ベーコン …49
- ハム …46
- 豚肉 …46
- 牛肉 …45
- 鶏肉 …45
- しじみ …44
- うなぎ蒲焼 …43
- あさり …40
- マグロ …40
- アジ …40
- えび …40
- いか …40
- イクラ …40
- ニンジン …80
- かぼちゃ …65
- ゴボウ …45
- タマネギ …30
- トマト …30
- キャベツ …26
- ピーマン …26
- 大根 …26
- ブロッコリー …25
- なす …25
- レタス …23
- 小松菜 …23
- きゅうり …23
- もやし …22
- ほうれん草 …15
- ジャガイモ …90
- さといも …64
- 栗 …60
- さつまいも …55
- まつたけ …29
- えのき …29
- エリンギ …28
- しいたけ …28
- しめじ …27
- なめこ …26
- きくらげ …26
- マッシュルーム …24
- こんにゃく …24
- しらたき …23
- パイナップル …65
- レーズン …57
- みかんの缶詰 …57
- バナナ …55
- 柿 …37
- さくらんぼ …37
- キウイ …35
- プルーン …34
- レモン …34
- ナシ …32
- オレンジ …31
- イチゴ …29
- アイスクリーム …65
- 生クリーム …39
- マーガリン …31
- バター …30
- 卵 …30
- 油揚げ …43
- 豆腐 …42
- 納豆 …33
- 大豆 …30
- 枝豆 …30
- アーモンド …25
- 豆乳 …23
- ピーナッツ …20
- ひじき …19
- 昆布 …17
- 寒天 …12
- モズク …12
- ところてん …11
チョコレートは急激に血糖値を引き上げてしまう。ただし、「チョコレートダイエット方法」と呼ばれるものが存在する。これはカカオを多く含んだチョコレートを選抜して食べるというものだ。つまり、苦いチョコになる。
ミルクや砂糖がふんだんに使用されたチョコレートは血糖値を急激に引き上げてしまうため気を付けよう。
また、血糖値の上昇が緩やかな食材だとしても安心はできない。なぜかと言うと、早食いをすることで血糖値はあがりやすくなるためだ。
ゆっくりとよく噛んで食べることが重要である。ゆっくり食べることで満腹感も得やすくなる。「低I値・ゆっくり食べる」これはダイエット効果を高くする最高の組み合わせだ。
まとめ GI値は血糖値を上げる指標
食生活はバランスのよい食事を心がけることが大切だ。しかし、中には太りやすい食材も多く存在する。ダイエット中には可能な限り避けたい食材も多い。どの野菜も痩せるイメージがあるのだが、実際は太る野菜もあるため見極めが重要になる。
また、果物は全体的に太らない食材になるのだが、落とし穴が存在する。ロンドンブーツの敦もニンマリするほどの落とし穴だ。
例えばりんごで計算をしてみよう。
34×2=68。
おわかりいただけただろうか?りんごを2個食べるとGI値が60を超えてしまうのだ。これはマズイ。
りんごをたくさん食べると痩せるというわけではない。食べ過ぎると太る、確実に太る。ダイエットに失敗してしまうということを覚えておこう。ダイエットはあくまでも「摂取量よりも消費量を多くする」ことだ。