世の中には様々なダイエット方法がある。
「ケトジェニックダイエット方法」と呼ばれる痩せ方もその1つ。栄養ドリンク剤のような名前なのだが、食べることで痩せることを目指すやり方になる。
ダイエット方法といえば食事制限を思い浮かべやすい。食べたいのに食べられない辛い期間を過ごすイメージ。しかし、ケトジェニックダイエット方法では制限をするのではない。「食べる」という。
食べてよいダイエット方法。
このワンフレーズに思わず口の広角が横に広がり「ニンマリ」とした不気味な顔を浮かべてしまったのではないだろうか?他人にバレる前に、今すぐに鏡で確認しよう。
ただし、これはあくまでもダイエットである。食べると言っても、何かしたら条件があるはず。見ていこう。
食べるダイエット系は最高☆だってお腹空いちゃうんだもん♪
ケトジェニックダイエット方法とは
ケトジェニックダイエット方法を考案したのは、ロバート・アトキンス博士という人物。
通常のダイエット方法は痩せるために食事制限を用いることが多いのだが、このダイエット方法は真逆。食べることでダイエットが出来る。
しかし、テンションアゲアゲになるのはまだ早い。
ケトジェニックダイエット方法は糖質を抑える食事方法だということを理解しておく必要があるためだ。
ケトジェニックダイエットには別の読み名が存在する。
- 低炭水化物ダイエット
- ローカーボダイエット
- 低糖質ダイエット
- アトキンス式ダイエット
別名を見ると、ケトジェニックダイエット方法の正体が見えてくるはず。つまり、糖質を減らすダイエットである。
様々な呼び方があるのだが、頭文字をとって「KETO」を強調した読み名で広まっている。
- K … Keep carbos low
- E … Eat more fat
- T … Test ketones often
- O … Overdoing protein is bad
ロバート・アトキンス博士は語る。
ひょっとしたら軽いノリで語っていたかもしれない。
しかしそんなことはどっちでもよい。
高脂質・高タンパク・低糖質の食事を摂ることで、体内に「ケトン体」と呼ばれる物質が産生される。このケトン体を呼び覚ます食事法になる。
ちまたでは「糖質制限ダイエット方法」が話題。
賛否はあれど、実際に痩せることができたという口コミの声は大きい。ケトジェニックダイエット方法では、「糖質制限食」よりも、さらに糖質の摂取量を減らした食事法。
これまで試した糖質制限ダイエット方法が身体に合わなかった人は、このダイエット方法が厳しいと思うかもしれない。通常よりもさらに糖質を制限していくため。
しかし、続けることができる秘密がある。
炭水化物の摂取量を通常の食事で「200~300g」摂っているとする。その量から「20~40g」と少なくすること。
基本はこれ。
糖質を減らしたことで脂肪をエネルギーに変換させ、消費するようになる。インシュリンによる脂肪分解抑制が作用しないため、脂肪の燃焼が促進。脂肪が燃焼することで痩せることにつながる。
ケトジェニックダイエット方法は、米・麺類・パンなどの炭水化物を少なくするのだが、お肉を主食にする食事法。低糖質のものなら食べても問題ない。続けやすいポイントはここにある。(ただし、金銭面で少し辛いかもしれない。)
ダイエットを始めてから2週間程度は、糖質(炭水化物)の摂取量を減らす。ナッツ系の脂質を多く摂取することで血糖値・インスリンの値をコントロールするとよい。
エネルギーに変換するケトン体の効果
ケトジェニックダイエット方法について、なんとなくぼんやりでも、どういうものなのかわかった。ここからは具体的に見ていこう。
そもそもケトン体とは?
ケトン体は、体内の脂肪が分解され脂肪酸が肝臓に送られて合成される物質を指している。
人が生きていくにはエネルギーが必要。エネルギーを使うことで身体を動かすことができる。人にとって重要なエネルギーを身体の中にため込むには食事をするのだが、エネルギーを使うのは、糖質を燃焼させる必要がある。
しかし、人の身体はブドウ糖が少なくなると身体に蓄えた脂肪を肝臓で分解する作用がある。このときにケトン体を作るように働く。「脂肪をエネルギーに変換することができるケトン体」と覚えておくとわかりやすい。
勘のよい人なら気づいたかもしれない。
つまり、糖質を多く含む食べ物を摂取していることで身体がケトン体を作り出すことをしなくなる。糖質がエネルギー消費に対して有り余っているため。わざわざ脂肪を燃焼させてエネルギーを作る必要がないためケトン体は作られない。
思うように痩せることができないことを意味する。
そこで、ケトジェニックダイエット方法を行う。身体に含まれる糖質が減ることで身体の中ではエネルギーが不足する。身体はどこかにエネルギーがないかを探すのだが、脂肪に目を付けた。脂肪からケトン体を作り出すことで、脂肪をエネルギーとして使う。
ケトン体は血液によって全身に運ばれる。人の身体は細胞の集まりで構成されているのだが、全身の細胞はケトン体をエネルギー源として利用する。ケトン体の代謝により痩せることにつながる。
それだけではない。
糖質を摂取すると血液中にインスリンが増えるのだが、インスリンには体脂肪を分解しないようにする働きがある。そこで、糖質を摂取しないようにすることでインスリンが分泌されなくなるため、脂肪が分解されやすい状態になる。
素晴らしいダブル効果である。
しかし人生はそう甘くはない。
むしろ辛い。
糖質制限ダイエット方法をしたことがある人は経験しているかもしれない。糖質を完全に遮断すると、イライラするなど情緒不安定になる可能性が高まる。集中力も欠如しやすい。
当たり前。
糖質が入らないことでエネルギーが不足する。脳が満足に働くことができないため、不都合な反作用が襲い掛かる。糖質は摂りすぎても減らしすぎてもいけない。自分の体質に合うように調整することが大切。
では、ケトジェニックダイエット方法では具体的になにを食べてよいのだろうか?
反対に何を食べたらいけないのだろうか?
ケトジェニックダイエット方法で食べてもよい食品「食材・食事」
- 肉類 … 牛肉、豚肉、鶏肉、羊肉
- 魚介類 … 青魚・イワシ、サンマ、サバ、マグロ
- 大豆 … 茹で大豆、豆腐、納豆、高野豆腐
- 乳製品 … チーズ・バター
- 低糖質野菜 … ブロッコリー、カリフラワー、パセリ
- 海草類 … ワカメ、海苔、ひじき
- キノコ類 … シイタケ、えのき茸、しめじ
- 低糖質アルコール … 焼酎、ウィスキー
- 低糖質調味料 … 植物油、塩、酢、マヨネーズ
ケトジェニックダイエット方法で摂取NGの食材
- 穀物 … ご飯、パン、麺類、シリアル
- 砂糖 … 菓子類、蜂蜜、メープルシロップ
- 芋類 … ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ
- でんぷん … でんぷんが原料の春雨
- 粉もの … お好み焼き、たこ焼き、餃子、シュウマイ
- 果物 … リンゴ、ミカン、バナナ、果物ジュース
- 多糖質野菜 … カボチャ、根菜、野菜ジュース
- 多糖質アルコール … 日本酒、ビール系飲料、マッコリ
お肉と野菜を中心にした食生活へ
思い出してほしい。
昨日や一昨日の話ではない。
この世に誕生する遥か前のことを思い出してほしい。
その細胞には記憶されているはずである。
時代は石器時代。
人は「ウホ!ウホ!」言いながら狩りをしていた。マンモスなどを集団で追い込み狩りをしていた。原始人は肉を食生活の中心にして生きていた。現代の人にもその細胞遺伝子が受け継がれている。
つまり、人の身体はお肉中心の食事のほうが身体の理にかなっているということ。
糖質を減らし、お肉中心の食事法にすることで身体に蓄積された脂肪が燃えやすくなる。その結果、ケトジェニックダイエット方法で体重を1週間の間に2~3kg落とすことができるとされている。
ここで重要なポイントがある。
お肉は「脂肪」の部分と「赤身」の部分が存在するのだが、お肉を摂る場合は赤身肉を選択するようにしよう。脂肪部分を摂取すると逆効果になる。
牛の赤身には必須アミノ酸が豊富に含まれている。
この他にもビタミンB群・鉄分・亜鉛といった高い栄養素も含まれる。また、豚肉よりも牛肉の赤身がダイエットには適しているのだが、その牛肉の中でも放牧中心の飼育をしている草牛が最適。
牧草牛には良質の脂肪酸・たんぱく質・鉄分・ビタミンB・亜鉛・ミネラルなどがバランスよく含まれ、 細胞にエネルギーを供給するコエンザイムQ10、タウリン、カルノシン、オメガ3脂肪酸、共役リノール酸などが穀物牛よりも多く含まれている特徴がある。
要するに穀物で育つ牛よりも質のよい痩せ方ができる牛肉が牧草牛。
脂肪を燃やすには筋肉を動かすエネルギーが必要。この筋肉を作るためにはタンパク質・アミノ酸が必要になる。
炭水化物の摂取量を少なくし、代わりにお肉を1日300~500g食べる。加えて、野菜も毎食150g程度食べるようにするとよい。
ケトジェニックダイエット方法のやり方
ケトジェニックダイエット方法のやり方を見ていこう。
ダイエットスタート~2週間まで
ダイエットをはじめた最初の2週間は、1日の炭水化物・糖質の量を1日の消費カロリーの5%程度に抑える。
一般成人女性、1日の消費カロリーの平均は1,700kcalほど。炭水化物・糖質の量を1,700kcalの5%、つまり、約85kcal分まで減らす。炭水化物は1gおよそ4kcal。85kcalの炭水化物は約21g。
炭水化物のご飯で例えると、5分の1膳ほど。
「うめ~うめ~、おら、白ご飯だいすきだ~うめ~だ~」と、白米が貴重だった時代を思い浮かべながらゆっくり味わいながら食べるとよい。
2週間後
なんとかダイエットを続けることができた。ようやく2週間を迎えた。
2週間が経過したら、炭水化物・糖質の量を消費カロリーの6%、上記の例でいうと、25g程度にする。これまでは21gになるため少し量が増えている。
このようにして、少しずつ炭水化物・糖質の量を増やしていこう。ただし、炭水化物・糖質の摂取量が消費カロリーの20%を超えないようにすることが重要。
まとめ 糖質を上手に制限して痩せる
ダイエット中でも、お肉を食べることができるダイエット方法。
炭水化物の摂取量を極端に減らすことで血糖値やインスリンをコントロールすることができる。
脂肪をエネルギーに変えるケトン体を作り出すことで痩せることが可能。ただし、極端すぎるダイエットには注意が必要になる。ケトン体がたまり続けると匂いを発生させる原因になる。
体内にケトン体というニオイ物質が発生することで、体臭・口臭が独特な甘酸っぱいようなニオイになることがある。 ケトン体は運動によって消費することができるため、ダイエット中には脂肪を燃焼させる運動が欠かせない。
ちなみに、ダイエット効果以外にもアンチエイジング・疾患の予防に効果があるとされている。
「食べて痩せれるってマジで最高じゃ~ん!」