人の身体には生きていくために必要な臓器がある。
その中でも「胃」・「脳」・「腸」・「胆のう」は痩せる身体を作るために必要不可欠な臓器になる。
医師の池谷敏郎氏が臓器別ダイエットと呼ばれるものを提唱している。いったいどのようなダイエット方法なのだろうか?
痩せるためには臓器の最適化が必要のようだ。
臓器別ダイエット方法とは「やり方」
脳が空腹感を感じたことで食べ物を口から取り入れ胃に入る。そして腸で栄養を吸収しながら胆のうで脂肪を燃やす。
臓器別ダイエット方法は、「胃・脳・腸・胆のう」の4つの臓器に注目をすることで痩せる仕組みを学び、それを活かしながら痩せやすい身体にしていく。それぞれ臓器の特性を見ていこう。
「胃」食欲を左右する
食べ物が口に入ってまず最初に到達するポイントが胃だ。胃酸により食べ物を溶かして身体に栄養を吸収させやすくする。
レプチンとグレリンと呼ばれるホルモンがあるのだがこれらは食欲と深い関係性を持っている。
レプチンは脂肪細胞から生成されるホルモンだ。満腹中枢を刺激する作用があるため食欲を抑制する働きがある。一方のグレリンには食欲を増進させる作用がある。
- レプチン …食欲を抑制
- グレリン …食欲増進
二つのホルモンは人が生きていくために必要なものなのだが、ダイエット中の人にとってはグレリンの存在が厄介になる。つまり考え方を変える必要がある。
レプチンがグレリンよりも多ければ痩せることができる。
しかし人生はそう甘くはない。
むしろ辛い。ワサビよりも辛い。グレリンは食欲を増進させるホルモンになるのだが成長ホルモンを分泌させる作用もある。グレリンはとても大事なホルモンなのだ。
レプチンの問題点
レプチンは身体に含まれる脂肪が多いほどその脂肪を減らすためにホルモンを増やす。ダイエットには嬉しい作用だ。
しかし太っている人はなかなか痩せることができない。脂肪を減らすためのホルモンが増えているのに痩せることができない肥満体質の人。
なぜ?
その理由はレプチンはしっかりと分泌されているのだが、身体がそれに反応しない状態に陥っているからだ。
レプチンは食事により分泌が開始されるのだが、反応させるにはゆっくりとよく噛んで食べる・睡眠時間をしっかり取ることが重要だ。
早食いしてしまうとレプチンが分泌する前に食べ終わってしまう。この状態を続けることで満腹中枢は反応しなくなり結果的に暴食・過食が止まらずに脂肪がたくさんついてしまうことになる。
離婚危機を迎えた険悪モードの夫婦のようだ。
そして睡眠時間が5時間未満の人はそれ以上の時間を寝た人に比べて血中のレプチン濃度が低いという研究報告がある。睡眠時間7時間~8時間取るとグレインを抑制することができるのだ。
- ゆっくりと食べる
- よく噛んで食べる
- 7時間は睡眠をとる
レプチンとグレリンはバランスが大事だ。
ゆっくりと噛んで5時間以上寝ることでホルモンバランスが正常になる。胃の食欲を最適化することで痩せやすい体質に変わることができるのだ。
「脳」リバウンドの判断
ダイエットの成功と失敗を決定しているのは脳だ。ダイエットに失敗する場合には意思の弱い脳。ダイエットに成功する場合には意思の強い脳になる。脳は空腹を感じる場所になるためだ。
ダイエットには停滞期が訪れる。普段通りの食生活を繰り返していたときに、ある堺を期に急激に体重が減り出した。そして栄養も少なくなった。
脳は身体に緊急事態を発令する。生命を維持させるために消費エネルギーを可能な限り抑えるように命令するのだ。そして可能な限り脂肪を落とさないように応急処置に動き出す。
当然だ。
急激に体重が落ちていくとそのまま命が尽きてしまう恐れがある。脳はそれを回避するために身体の中にある余分な脂肪を生きるためのエネルギーにかえる。そして身体は省エネ状態になる。
関心するほど人の身体はうまくできているのだ。
しかし体重が下がらない停滞期に「体重が落ちない!や~めた!」とダイエットを諦めた結果、リバウンドをしてしまう人も多くいる。脳は命の危険を感じている状態だ。省エネに入っている。その状態でダイエットを辞めてしまうと身体は栄養を吸収しやすい状態になってるため以前よりも太りやすいのだ。
そしてダイエットのストレスからその反動で食べ過ぎてしまう場合もある。リバウンドに拍車をかけてしまう。
急激なダイエットを始めることにより脳が飢餓状態だと錯覚して働く「肥満遺伝子(倹約遺伝子)」が発生。そして一度倹約モードに入ると1ヶ月ぐらいはその状態が続く。脳に今の状態が安全だと認識させることが重要だ。
1ヶ月で5%以上の体重を落とすと脳は危機感を持つ。
過度な食事制限をしている場合には、この時点までダイエットを頑張った自分へのご褒美として甘いものを食べるのもストレスをためないために大切なことだ。これも立派なダイエットになる。ただし食べ過ぎは厳禁だ。
また脳に満腹感を与える方法として食事の15分前にガムを噛むとよい。本食を食べる前に満腹感を感じることができるため暴食過食を防ぐことが可能だ。
ガムは必然的に噛む動作が生まれる。噛むことで満腹中枢を刺激するのが狙いだ。
さらに料理をのせる皿を小さくすることで錯覚により脳を騙す方法もある。同じ量の料理でも大きな皿と小さな皿に盛るのでは見た目が違うのだ。小さい皿のほうが満腹感を得やすくなる。
- 脳に飢餓状態ではないと認識させる
- ご褒美をたまに食べるのもあり
- 食事15分前にガムを噛む
- 小さな皿を使う
「腸」脂肪燃焼
腸が前へ出ることでぽっこりお腹の完成だ。では、なぜ腸は前に出てしまうのだろうか?
その理由は腸を包んでいる筋肉が緩んでしまっているからだ。インナーマッスルを鍛えることでぽっこりお腹は解消することができる。
筋肉はエネルギーを多く消費させるためインナーマッスルを鍛えることで代謝や循環が向上し痩せやすい体質にすることが可能だ。
とくに腸腰筋を鍛えることで効率的な代謝アップに期待できる。
そのためには大きめの歩幅でウォーキングをしたり、階段の昇り降りを日常生活に可能な限り多く取り入れながら鍛えることが大切だ。
腸を包んでいるくびれ筋(腸腰筋)は背骨と脚をつなぎあわせている筋肉だ。
鍛えることでぽっこりお腹も減るため背筋も伸びる。腸内に筋肉がつくことで内臓脂肪も減らしながら体温も上がるため冷え性の改善にも期待ができる。
- 大きめの歩幅で歩く
- 階段の上り下りをする
「胆のう」脂肪燃焼を促す
胆のうで分泌される胆汁酸は脂肪を燃焼させる働きがある。
しかし古い胆汁酸が腸内に溜まっていると消化吸収力を低下させてしまうのだ。すると新しい胆汁酸が作られにくい状態になる。
胆汁は1回の便で5%排出されるため、いかにして古い胆汁酸を体外へ排出させることができるかが重要なポイントになる。では、どうしたらよいのだろうか?
こんにゃく・マイタケなどの食物繊維が豊富に含まれた食品を摂取するとよい。また「アスペルロシド」という物質は古い胆汁酸を排出させる作用がある。この成分は杜仲茶に多く含まれているためお勧めだ。
そして基本的に水溶性食物繊維を摂るとよい。
便を柔らかくして胆汁を排出しやすくする。「キャベツ・だいこん・ごぼう・らっきょう」がそれにあたるのだが、とくにらっきょうは水溶性食物繊維が豊富に含まれている。水溶性食物繊維は水に溶ける性質を持つため可能な限り生のまま食べると効果的だ。
- 水溶性食物繊維を摂る
- 野菜は生のまま食べる
- 杜仲茶を飲む
くびれを作るゾンビ座りのやり方
臓器別ダイエット方法を効果的にするための運動もある。「ゾンビ座り体操」と呼ばれるものだ。
- 椅子に浅く座る
- 脚を肩幅くらいに広げる
- 背筋を伸ばす
- 手を前にあげる
- 5秒かけて息を吐きながらおへそを覗きこむように背中を丸める
- 戻るときは5秒かけて息を吸う
- 3回繰り返す
ゆっくりとゾンビ座りをすることで腸腰筋を鍛えることが可能だ。
5秒足踏みのやり方
5秒間の足踏みをすることで臓器別ダイエットの効果を引き上げる。
- 椅子に深く座る
- 脚は90度に曲げる
- 背筋を伸ばす
- 片足を5秒かけてゆっくり上げる
- 5秒かけて下ろす
ゆっくりと行うことが重要だ。夕食の2時間後に行うとダイエットの効率がよくなる。
池谷敏郎式スムージーダイエットの作り方レシピ
池谷敏郎式「朝のスムージージュース」の作り方レシピが次にあげられる。
「材料」
- ニンジン …1.5本
- リンゴ …1/2個
- レモン …1/2個
- アマニ油 …小さじ1
- ニンジンの皮をむきリンゴの芯を取り除いて細く切る
- レモンを良く洗い皮ごと小さく切る
- リンゴ・ニンジン・レモンをジューサーにかける
- コップにいれてアマニ油を加えて完成
生姜を加えると味が締まり冷え性にも効果的だ。
らっきょうスムージーの作り方
「材料」
- らっきょう …3粒
- りんご …100g
- レモン汁 …大さじ1
- はちみつ …大さじ1
- お好みでミント …「水+氷100g」
上記と同じようにしてジューサーに入れながら作る。
まとめ 臓器の特性を知ることで痩せる
臓器別ダイエット方法は臓器の特性を知ることで痩せる体質にかえるやり方になる。身体の仕組みを知ることでダイエットの成功に近づきやすくなるのだ。