富士フィルムより、11月2日に「X-T5」の正式発表がありました。
大人気「X-T4」の後継機であり、富士フィルムの期待の星ともいうべき力の入った機種になります。
前機よりも小さなボディーに最先端の高機能技術を詰め込んだこの機種は、所有する喜びを感じることができるでしょう。
発売は2022年11月25日。
「でも、本当に買います?本当に欲しいですか?」
よ~く「X-T5」の機能を見ていくと、物欲がなくなるかも?
「X-T5」の値段はボデー単体で25万3千円前後、レンズキットは31万円を超える価格設定です。どうしようかと考えてる人は諦めがつくかもしれません。
カメラかっこいいパラ!富士フイルムはクラシカルパラ!
X-T5が富士フイルムから登場したけど…、なにやら賛否両論ぽい。何かデメリットでもあるのかな?
X-T5のスペックを確認
まずは簡単にスペックを確認しましょう。
イメージセンサー
・タイプ:X-Trans CMOS 5 HR
・有効画素数:4,020万画素
・除塵ユニット:超音波式
・ISO:125-12800
・拡張ISO:80-51200
5軸ボディ内手ぶれ補正 最大7.0段
JPEG / HEIF 10bit / 14bit RAW / TIFF 8bit 16bit
フィルムシミュレーション 19種類
プロセッサ:X Processor 5
AFシステム:
・測距点:25×17
・測距輝度範囲:-7.0EV F1.0レンズ
・被写体認識:動物/鳥/クルマ/バイク&自転車/飛行機/電車
ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:15分-1/8000秒
・メカ連写 最大15fps
・電子シャッター:15分-1/180,000秒
・電子連写 最大20fps 1.29×
・連続撮影枚数 20fps 非圧縮RAW 27枚 / ロスレス圧縮RAW 41枚
・フラッシュ同調速度:~1/250秒
ファインダー:0.5型 369万ドット OLEDファインダー
モニター:3.0型 184万ドット チルト液晶モニタ
動画:
・8K:非対応
・6K:6.2K 29.97p 360Mbps
・4K:DCI / UHD 59.94p 360Mbps
・USB:USB-C 3.2 Gen2x1
・マイク:3.5mm
・リモート:2.5mm
・HDMI:D
・シンクロ:あり
・Wi-Fi:IEEE802.11a/b/g/n/ac
・Bluetooth:4.2 LE
バッテリー
・タイプ:NP-W235
・撮影可能枚数:580枚
サイズ:129.5×91×63.8mm
重量:557g
防塵防滴:対応(富士フイルムHP)
ボディカラーは、シルバーとブラックを用意。レンズキットも用意されています。
X-T4から大きく性能をあげているのがわかります。
これまで「X-T4・X-T30・X-S10」を使い込んできましたが、T4の動画性能に触れたことで動画がやりたくなりソニーの「α7sⅲ」に移行しました。それからスチールもこの機種で撮影していましたが、画素数が必要な環境になったことで、カメラを新しく探していました。
そこに噂で登場したのが「α7RV」です。
骨格を感知するAFを搭載したRVの性能はもの凄いのですが、撮影する被写体が静止物が多いのでスペックオーバー。そして後に金額も判明し、懐オーバー。
それと同時期に噂に突如上がってきたのが「X-T5」です。
そもそも富士フイルムのカメラで、写真の楽しさ面白さに気づき使い続けてきたので、日に日にX-T5に惹かれていきました。
でもちょっと待って。
「安くはない買い物なので、一度冷静に見なければいけないのでは?」
新しい「X-Trans CMOS 5 HR」センサーを搭載
前機種であるX-T4は、有効約2610万画素の裏面照射型「X-Trans CMOS 4」イメージセンサーと高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載しています。
それから数年の月日が流れ…。
FUJIFILM X-T5は、富士フイルムXシリーズ第5世代に進化。裏面照射型の有効約4,020万画素センサー「X-Trans CMOS 5 HR」と、画像処理エンジン「X-Processor 5」に更新しました。
「え?」
X-T4は約2610万画素でX-T5は約4,020万画素ですよ?
写真を撮ったときにX-T4ではトリミングしづらい場面があったのに、X-T5ではその高い画素数から余裕でトリミングが出来ちゃうじゃないですか。
X-T4でファインダーを覗いた瞬間、「後でトリミングが難しい…。この画角まで寄らなければ…」というT4との緊迫したやり取りの宿命感を感じることが出来なくなるじゃないですか!
いいんですか?
X-T5を使ってしまうと、後で簡単にトリミング出来ちゃいますよ?
いいんですか?
AFの性能が上がる
X-T4の「X-Processor 4」からX-T5の「X-Trans CMOS 5 HR」に変更しました。
「え?」
いやいやw
オートフォーカス(AF)が向上してしまったじゃないですか。
X-T4と同じ「X-Processor 4」が搭載された富士フイルムカメラを使ったことがある人なら共感できますよね?
瞳AFで「X-Processor 4」のあのワンテンポ遅れる必死な食いつきが可愛いいんじゃないですか。
「遅っそ!AFおっそ!」
知らず知らずにX-T4と会話してる。それがいいんじゃないですか。
X-T5は「X-Trans CMOS 5 HR」に変わりましたよ?
AFは「X-Processor 4」を超える劇的な食いつきにグレードアップしましたよ。レビュー動画見ればすぐに違いがわかるほど、見事な食いつきですよ。
いいんですか?
人を撮影するポートレートでも瞳を掴んで逃しませんよ?
車・バイク・鳥・電車等、X-T4よりも検出できる被写体が激増してますよ?
X-T5は瞬時にAFを合わせて粘り強くターゲットに食らいつくことで、失敗する撮影枚数を劇的に減らしますよ?
いいんですか?
X-T4の「おっちょこちょい」なAFが可愛いじゃないですか。
「もう、T4、そこ目じゃないよ!眉毛だよ!外しすぎw」
楽しい会話ができなくなりますよ?これは大きなマイナスです。
最大7.0段のボディ内手ブレ補正を搭載
「X-T4」は、ボディ内手ブレ補正機能をX-Tシリーズで初めて搭載しました。「X-T5」もこの機能を受け継いで搭載されています。
X-H1から搭載されたボディー内手ブレ補正は、X-T4そしてX-S10と小型化されていきました。
X-T5は5軸・最大7.0段のボディ内手ブレ補正を搭載しています。
X-T4は5軸・最大6.5段の手ブレ補正効果を発揮します。
「え?」
増えてるじゃないですか…。
補正が増えれば増えるほど、撮影者が楽できる環境になるんですよ?
薄暗い環境で撮影した場合、X-T4の6.5段だと微ブレを起こし失敗していた写真が、X-T5の7段に変わることでブレをしっかりと止めることで成功した完璧な写真に仕上げることができるんですよ?
本当にそれでいいんですか?
例えば人を撮影しているときに意図しないブレが起きることで「幽霊になったw」とふざけて遊んだりすることが出来なくなるんですよ?
いいんですか?
そんな遊びも出来なくなる完璧なボディー内手ブレ補正を搭載したX-T5はゾッとします。
それだけではありません。
撮影場所で失敗した写真をすぐに消したり、その写真を見るのは一度切りで、二度と見ることもなくなる人も少なくないでしょう。
手ブレ補正7段が搭載されたX-T5で写真の成功率が上がったらどのように行動すると思いますか?
想像してみてください。
きっと、完璧に静止した成功写真をファインダーやモニターで確認し、その美しい写真に見とれてしまい、数分いいえ数時間もその一枚だけを見続ける可能性だってあるのです。
撮影場所にいるのに、その完璧な一枚のせいで他の写真が撮れなくなる危険もあります。これは大きなデメリットです。
バリアングル液晶からチルト式に戻るX-T5
X-T3の液晶画面は3軸チルト式でした。
一方のXーT4はバリアングル液晶に変更。
そして今回新しく登場したX-T5は、再び3軸チルト式に先祖帰り。
「え?」
X-T4でバリアングル液晶だったのに、後継機では3軸チルトに戻ってしまいました。
「正気ですか?」
チルト式はレンズの先から液晶画面まで角度を変えても軸がズレません。
一直線上にカメラを持つことができるため、撮影時にカメラを構いやすくブレなども防ぐことができます。
一方のバリアングル液晶は、カメラの横に飛び出した形にしなければいけません。バリアングルタイプのカメラを使ってみるとすぐにわかるのですが、カメラの横を見ながら撮影するのは構えにくいと感じるはずです。
それでも自撮りができるだけでポジティブ思考になれるのに…、なんでチルトなんかに…。
ユーチューバーが泣いてしまうじゃないですか。
自分好きの自撮り大好きっ子も号泣してしまうじゃないですか。
X-T5はチルトに戻りました。チルト式のX-T30を使っていて感じたことがあります。レンズからモニターまで軸がズレない。バリアングルの回転する手間がワンテンポ省ける。
チルトは使いやすい。
そう、チルト式は使いやすいのです。写真が撮影しやすいのです。写真だけじゃありません。実は動画も撮りやすいです。自分の顔を撮らない動画撮影ならチルト式の方が断然撮影しやすいです。バリアングルも便利ですが、チルトは機動性が素晴らしいです。
でも、いいんですか?
バリアングルのあの余計な回転が、実は楽しいと感じているのではないですか?カメラを構えてモニターを開いて回転して被写体に合わせて…。その手間が楽しくなっているのではないですか?
X-T5のチルト式液晶モニターにしたら、瞬時に被写体に向けてカメラを構えて撮影まで出来てしまうので、バリアングルで味わったその手間を楽しく思える時間がなくなってしまいますよ?
いいんですか?
バリアングル液晶画面は、モニターを反転することで画面を内側に仕舞うことができるので液晶保護することもできます。でもチルトにしてしまうと、山登りなど過酷な環境で持ち運ぶとき、液晶が破損しないか、ハラハラドキドキできなくなります。
いいんですか?
X-T1並に小型化されたX-T5
X-T5は、画質・性能を向上しながらも小型軽量化を果たしたモデルになっています。
- X-T5の外形寸法は129.5×91×63.8mm
- 重量は約557g(バッテリー、メモリーカード含む)
- 約476g(バッテリー、メモリーカード含まず)
従来モデルのX-T4は134.6×92.8×63.8mm、約607gです。
高さ×幅をTシリーズの初代機「X-T1」(129×89.8mm)とほぼ同等にまで小型化させることに成功しています。
重量についても、X-T5は従来機のX-T4から約50gの軽量化を果たしました。
手ブレ補正ユニットやEVFユニットを小型化したほか、1g単位で各部品を精査していったとのこと。
「え?」
信じられますか?
X-T4よりもサイズダウンしながら軽量化を果たし、そして高機能高性能とグレート進化したX-T5ですよ?
X-T4の重さを味わいながら毎日連れ出すのが相思相愛の関係じゃないですか?
軽量化されたX-T5を毎日持ち出そうと思うと大変ですよ?だってどこまでも持ち歩いてしまいたくなるじゃないですか。
東京タワーにいたのに、スナップショット撮影に夢中になっていて、気づいたら北海道の小樽の時計台にいるかもしれませんよ?
どこまでも常に一緒に持ち運びたくなるX-T5を選んで本当にいいんですか?
まとめ
こうして見ると、如何にX-T5が”ダメな機種”なのかがわかると思います。
そんな訳で、X-T5を購入しました!
「わーい!」
ちなみに、チルト式に抵抗があり、バリアングル派の人は、スマホやパソコンに映像を飛ばして自撮りをするか、鏡で反射させて自撮りするこのようなアイテムもあります。