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FUJIFILM X-T30のレビュー【良い点・悪い点】

カメラ

FUJIFILM(富士フイルム)の「X-T30」を購入しました。撮影した枚数は8000枚ほど。「X-T30」についてのレビューになります。

FUJIFILM X-T30の良い点ともう少し頑張って欲しかった面が見えてきました。

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X-T30のカメラは人気パラ♪

XT30を使ってみた感想

XT30を使ってみた感想ですが…。

楽しい!

すごい!

これにつきます。カメラって、プロの人以外は、ほとんどの人が記念や記録として残していると思います。そこから少し足を延ばそうと、「ちょっと面白い絵にしたいなぁ~」とか。スマホ撮影とかそれですよね。

XT30で撮影していると、カメラで被写体を撮影する楽しさを改めて思い知らされました。これまでにも様々なメーカーのカメラを使ってきましたが、なぜ他のカメラではこのような感覚を味わえなかったのか?

それはやっぱりこれ。

フィルムシミュレーション

これですね。富士フイルムのカメラを購入する前に、たくさんの画像素材を見ていましたが、実際、自分で撮影していると「すごい」の一言。いえ、「楽しい」の二言でした。

すごい!楽しい!

ファインダーで覗く世界がとにかく美しいのです。これまでシャッターを切ってきたカメラはどちらかというと「思い出を残す。綺麗に残すためにRAW画像をレタッチして現像させる」ってな感じで使っていましたが、富士フイルムのフィルムシミュレーションは「JPGで撮って出し」。

つまり、後にパソコンでカタカタと好みの色に変更するまでもなく、ファインダーを覗いたら、そこには完成した絵があるということ。

RAWファイルを現像するには時間がかかります。露出補正を変えるだけの場合もありますが、後で加工する手間を考えながら撮影するのと、その場で完結する撮影では、モチベーションがかなり違うことに気が付きました。

撮ったら完成。

これが如何に心にゆとりをもたせるのか身をもって知ることに。それと同時に、基本的に一発勝負!

JPEG画像は加工を繰り返す度に画質が劣化をする特徴を持つので、カメラの設定で「自分の色」を再現しながら撮ることがとても大切になります。

これが楽しいんですよね。

フィルムシミュレーションにはそれができます。「写ルンです」のフィルム時代から色を追及し続けてきた富士フイルムでしか出せない色がファインダーを通じて目に入り込みます。

そこには、空はしっかりと色が出ているけど、なんだかふわっとした心地よく目に優しい空が広がり、草木の緑色も強調しているけど行き過ぎない絶妙な色。言葉で伝えるのは難しい優しい世界がフィルムシミュレーションの色で出すことができます。

また、フィルムシミュレーション機能にあるクラシッククロームや、XT30には現在のところ搭載されていませんが、上位機種(X-Pro3)に搭載されているクラシックネガは、銀残しもあり、クラシッククロームのワンランク上にあるどこか懐かしい昭和な日本の色にしてくれます。今度、クラシックネガはXT30にもアップデートで搭載されるかも?

っとは言いながらも、JPEGだけだと不安があります。「ここはやっぱり別のシミュレーションで撮影したほうがよかったなぁ」と思うこともありました。なので、「JPEG+RAW」に設定しています。仮にJPEGで失敗してもRAWを保険としているため、後で画質劣化なくJPEGに現像することができます。

作品として残したい

富士フイルムのカメラを使って思うことがあります。

作品を作りたい!

以前は思い出や記録として撮影していたことが多いですが、XT30を使い始めて改めて作品を作りたいと思うようになりました。要するに「構図」を再意識してしっかりと写真を安定させるということ。

プロの世界では「構図」が基本中の基本であり、当たり前のことですが、普通に思い出としてカメラを取っていると何も気にせずにパシャリと撮ることが多いですからね。平凡というか、素人感が強い写真が残るわけです。

XT30の良い点

軽い

超望遠がついてるネオ一眼が好きで、ニコンのP1000を保有しています。このカメラもいいカメラです。「山の上に何かあるなぁ」と思ったら、別に撮影するわけでもなく、双眼鏡・望遠鏡のように見ることができます。125倍・3000㎜という驚異の超望遠が強い武器になってるカメラ。

ただ、重い!大きなレンズが何枚も入っているので重い!1kgと半分くらいの重さがあります。ちょっと飲んだ2Lのペットボトルを持ち歩いているようなもの。

一眼レンズの3000㎜を考えるとびっくりするほど軽いカメラですが、長時間持ち歩いて移動するのは場所を選びます。手軽にスナップ撮影するのは不向き。

その点、XT30は軽い!

  • 撮影時質量
    約383g(バッテリー、 SDメモリーカード含む)
  • 本体質量
    約333g(バッテリー、 SDメモリーカード含まず)

軽いカメラはやっぱり便利で、どこにでも持ち出したい気持ちに駆り立てられます。公園の散歩でパシャリ!道路にあった気になる被写体をパシャリ。機動性が素晴らしくいい。

スマホには出せない綺麗な写真の色が撮れる。

ちなみに、ニコンZ50は質量 約450g(バッテリーおよびSDカードを含む、ボディーキャップを除く)、約395g(本体のみ)。どちらも軽いですが、XT30のほうが軽量ですね。

赤色に強いカラークロームエフェクト

デジタルカメラって赤色に弱い特徴があります。潰れた色になってしまうような感じ?それを補うために少し明るくしている感じでしょうか。

もっと赤色を強調させたい!そのようなときには、XT30の「カラークロームエフェクト」機能を使います。

バラなどの色の濃い花でデテールを損なわずに強く印象を残すことができます。

ただ、白系や青系はあまり変化がないように思えます。赤・黄色・橙色の暖色系には効果がわかりました。この機能は重宝しています。使い分けがポイントですが、作品を作るには欠かせない力づよい機能です。

(下画像は画質を落としています。)

Webサイトのため画質を下げていますが、それでも一目瞭然ですね。

XC15-45mmF3. 5-5.6 OIS PZのレンズが最高!

高画質とコンパクトボディを両立した標準ズームレンズ「フジノンレンズ XC15-45mmF3. 5-5.6 OIS PZ」があります。


XC15-45mm(楽天)

富士フイルムのレンズには神レンズと呼ばれている「XF56mmF1.2 R」・「XF35mmF1.4 R」もありますが、XF56mmF1.2 Rレンズは35mm判換算で焦点距離85mmの中望遠レンズです。F1.2という非常に明るいF値で美しい背景ボケを実現することができます。ポートレート撮影などに強いレンズ。

フジノンレンズにある「XC」と「XF」の違いは、クオリティーの高さにあると言ったらわかりやすいかもしれません。XCよりXFシリーズの方が高級感があり、XCはプラスティック感があります。

でも、XC15-45mmF3. 5-5.6 OIS PZはオールマイティーレンズで気に入っています。超広角を使いながらズームもできるので、XF56mmF1.2 Rまではいかないものの、ズームをしたまま被写体を接写で写すと綺麗にぼかすことも可能です。この1本で十分事足りています。

コスパ重視ならこのレンズはかなり使えますね。ただ、電子ズームなので一眼カメラに慣れている人はワンテンポ遅い動作により違和感を感じるかもしれません。コンパクトデジカメ所有者ならすぐに慣れると思います。

また、 XC15-45mmレンズなどの絞りリングのついていないレンズをX-T30などで使用する場合、カメラのフロントコマンドダイヤルで絞り値を変更するので注意が必要です。

画質はとても綺麗です。十分、作品として残せるレベルのレンズ。風景を超広角で撮影したかったのでこのレンズを選んで正解でした。

また、レンズのサイズも小さいため、本体とのバランスが絶妙です。広角から望遠を1本のレンズで持ち運びするには最適な組み合わせになります。

プラスティック感は否めないですが、問題があるとしたら、暗闇に弱いことですね。レンズがF3. 5なので、薄暗い場所ではカメラをしっかりと構えないとブレます。ただ、どのレンズも暗ければブレますが…。

ここは本体に手ぶれ補正がついていればよかったのにと思う瞬間でした。または、ポートレートや暗闇ではXF56mmF1.2 RかXF35mmF1.4 Rの明るいレンズに付け替えるかですね。

高速RAW現象

RAW現象は基本的にパソコンで変換してJPEGにしますが、パソコンの性能に大きく左右されます。スペックの低いパソコンの場合は、快適にRAW現象ができないのです。

でも、富士フイルムは「撮って出し」を基本に考えているようなので、斜め上の方法でRAW現象を生み出しました。それは、カメラとパソコンをつないで、カメラのデータをパソコンに映し出した状態で、カメラの性能を使い現象するというもの。

なるほど…、ギリギリ撮って出しですか…。

カメラのパワーを使うため、スペックの低いパソコンでも高速にRAW現象が可能になります。XT30のカメラ単体でもRAW現象は可能ですが、細かく設定すると非常にやりにくいです。設定したものが、一つ戻るとすべて元に戻る謎現象。パソコンでRAW現象するほうが効率がいいです。

XT30に関しては、その日その場その感触で作品を残したいため、JPEGで一発勝負するのが楽しいのでRAW現象はほとんど使っていません。明らかに失敗した写真だけを補正する形で使っています。

他のカメラだと、RAW現象しないと厳しいですね…。フィルムシミュレーションはそれほどすごいと実感しています。

XT30のおしい点!

いいところばかりじゃない。使っていくうちに悪い部分も見えてくるものです。それはXT30も例外ではありませんでした。

鼻が液晶につく

「鼻が高い!」ということを自慢したいわけではありません。むしろ一般的な鼻だと思います。

チルト式であり、バリアアングルではないので液晶を内側に向けることができません。加えて太陽光が強く反射により液晶がみえづらい場合にはファインダーを見ることになりますが、覗くと液晶に鼻と吐息がかかるベストポジションに!

ファインダーの覗き窓(ファインダーアイカップ)が短いのかな?鼻はまだしも、吐息が液晶にかかるため、曇ったり水滴がついたりします。毎回拭き取るのでめんどい。

マスクをする手もあった?!

ニコンのP1000はファインダーが大きく飛び出してしっかりとしているので問題を感じたことはありませんでした。

【関連】COOLPIX P1000(ニコン)の評価・レビューと気になる点

再生ボタンが押しにくい

撮影した写真をその場で確認するために再生ボタンがありますが、左側にあるため押しにくいです。

右手で左側にある再生ボタンを押そうとすると、右手がアイセンターにかぶり液晶が真っ黒に…。それなら左手で押せばいいのですが、ホールド中にパッと見たいときには指で押しにくい位置…。慣れかもしれませんが。

なので、現在はボタンを割り振っています。

右側にある右手で押しやすいロックボタンを再生ボタンとしているため、現在のXT30では再生ボタンが2個ある状態に(笑)

こういう便利なボタンの割り振りができるのも富士フイルムさまさまですね。

グリップが握りにくいかも?

形的に富士フイルムカメラはかっこいいです。レトロ感がたまりません。グリップをがっしりしたタイプにすると、レトロ感が失われてしまい、魅力が半減してしまう恐れもあります。

そのため、現在の形が好きなのですが、グリップのホールド感がやっぱり弱い。いかにもコンパクトデジタルカメラを持っていますよ~的な握りぐあい。でも、小指までグリップに入るので、ブレないようにカメラの構え方次第かなとも思います。

その点、Z50のグリップはしっかりとしています。ニコンのあのデザインだからこそ、あのがっしりとしたグリップが似合うのでしょう。

ちなみに、取り外しできる三脚の台座だけをXT30に取り付けて撮影すると、カメラの下で手がロックできるので、驚くほどホールド感が増すのでおすすめです。

動画切り替えが不憫

富士フイルムは動画撮影も優秀です。フィルムシミュレーションの機能にあるエテルナは映画やドラマでも頻繁に使用されている色になります。

その色を手軽に楽しむことができます。要するに、映画みたいな動画が撮影できるということ。

ただ、一般的なカメラは動画ボタン(赤●)がカメラについていますが、XT30では動画ボタンがなく、静止画モードから動画モードにダイヤルを回して切り替える仕組み。

むしろ、そこがレトロチックでいいのですが、「ちょっと動画撮ってみようかな?」と思ったときには不向きでした。性格にもよると思いますが、ダイヤルを回す手間が意外と壁になっています。

録画機能をボタンに割り振ることができるのかな?「ハイスピード撮影」や「サイレント動画」はありますが?わかりませんでした。

追記)
X-S10で改善されてますね。さすが富士フイルム。

フィルムシミュレーションのブランケット

富士フイルムには素晴らしいフィルムシミュレーションという機能があります。いくつか種類がありますが、その絵を同時に3枚それぞれ撮影できる「オートブラケティング」という機能があります。

・フィルムシミュレーションブラケティング(3種類選択可能)

ただ、この機能は自分でカスタムしたフィルムシミュレーションを登録できないようです。ディフォルトの設定を3枚撮る用になっているので、使う機会がありませんでした。

カスタムしたフィルムシミュレーションで登録できるのなら、バシバシ使っていたと思います。非常に惜しい!これができていたら、RAW現象の出番がさらになくなりそう。

まとめ XT30は素晴らしいカメラ

カメラで物を撮る。

単純なことですが、そのカメラの中に映し出された被写体には物語が存在します。

空を見上げるこの人は今何を思っているのだろう?

この蜂は蜜をいっぱい運んでいるけど、お家はどこだろう?

脇道にあるこの花は何人の人を見ていたのかな?

このような写真の奥にある物語を作りたくなる「色」が富士フイルムの世界だなぁと感じました。


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