人はトンネルを見ると、どのような気持ちを抱きますか?
トンネルと言えば、自動車が通るような大きなトンネルを思い浮かべる人もいます。その一方で、橋の近くにあるような人や自転車が通る専用の小さなトンネルを思い浮かべる人もいるでしょう。いえ、浜辺で作った砂のトンネルを思いついた人もいるかもしれません。
どちらにしても、そのトンネルは電気がついていますか?一般的なトンネルは左右に電気がついています。でも、電気がついていないトンネルも存在します。電気がないトンネルは夜になると不気味な空間を醸し出します。
トンネルの先が見えません。周囲では虫の鳴く声が聞こえる。たまに聞こえる謎の鳴き声。野生動物?先の見えない真っ暗なトンネルに足を進める。ゆっくりと足を進めるのですが、トンネルに近づくたびに、なんだか冷たい風が身体を揺らす。
トンネルの目の前にきました。
近づいてもやはりトンネルの先が見えません。暗黒に包まれた空間のよう。なぜか足がこれ以上進まない。身体がこれ以上の侵入を拒んでいるの?それとも何かが、これ以上先に進むことを許さないの?
どうしてもこれ以上進むことができない。諦めて帰ることにしよう。後ろを振り返ったその瞬間!
うわぁああああああああああああああああ!!!
それはとても暑い夜でした。道路の真ん中で静かに眠りながら蛍が飛んでいく。薄れゆく意識の中で確かに見たのです。
目の中に飛び込んできたのは車。引かれる直前に確かに見た。確かに写っていた。車のすぐ先にあるカーブミラーに写っていた。
白い…、長く…、黒い髪をした…あれは…。
ぬぉーーー!!
トンネルは心霊スポットじゃない!?
トンネルは怖いイメージしかありません。トンネルは恐怖を呼ぶ場所のイメージしかありません。トンネルの入り口を写真で撮ると必ず何か不可解なものが撮れるイメージしかないのです。
トンネルは恐怖の心霊スポット。
トンネルは幽霊が出るだけではありません。トンネルを潜ると別の世界に飛ばされることもあります。そして、トンネルをくぐると豚にされるかもしれないのです。
(出典:beeest4u.com)
千尋はこのトンネルを通ってしまったばっかりにとんでもないことに巻き込まれてしまいました。
でも、「心霊スポットだけではない!」と前向きなイメージを持つ人がいます。花田欣也氏。「マツコの知らない世界」にも登場した彼はトンネルが好きすぎてたまらないトンネル愛に目覚めてしまった人物になります。
トンネルは怖いというイメージが強いのですが、彼からすると「トンネルは心霊スポットじゃない!心が癒されるアミューズメント空間!」だと語ります。
トンネルには幽霊がいる。「うらめしや~」と言いながらあの世に連れていく人を選んでいる。それを否定して、「アミューズメント空間」とはいったいどういうことなの?
トンネルの幽霊に憑りつかれる?花田欣也の人物像
(出典:asahicom.jp)
彼の名は花田欣也。
「トンネル研究家」と呼ばれる肩書を持っています。世の中にはさまざまな研究家がいるのですが、トンネルの魅力はどこにあるの?
彼は1961年に東京都で産声をあげました。そしてすくすくと成長をしていき、旅行会社に就職。旅行会社の社員といえば旅行先の事情に詳しくなければいけません。
花田欣也さんは、マレーシアや沖縄に住んでいたこともあるそうです。その間に趣味ができていきました。趣味を持つのは素晴らしいこと。趣味があるから人は楽しく生きていけます。
その趣味の1つが鉄道。鉄道にハマりにハマったことで「乗り鉄」となり、その道を極めるほどになりました。どのくらい極めたの?1995年、当時JRの全線を制覇するほど。これも旅行会社として、勉強の意味合いもあったのかもしれません。
また、鉄道といえば、クオリティーの高いおもちゃが多くあります。彼は鉄道模型のジオラマも極めています。トランクルームがあり、受賞経験もあるほど。
鉄道といえばトンネルの中を通ることも多いです。旅行をしている中でトンネルの魅力にもハマったのかも?それもあるかもしれません。でも、彼はもともと幼い頃から暗いところが好きだったようです。
花田欣也さんは暗い場所であるトンネル歩きにハマってしまいました。全国のトンネルを周るほどトンネルの魅力に憑りつかれてしまったのです。
ある意味、トンネルの幽霊に憑りつかれているのかもしれない…。
楽しいトンネル歩きツアー
花田欣也さんがガイドを務める「トンネル歩きツアー」が盛況です。
静岡トンネルツアー第2弾、おかげさまで満席の盛況でした。#トンネル #隧道 #tunnel pic.twitter.com/0OID9AVkIj
— 花田欣也@hanahana (@hanahana3450) 2019年1月13日
JTBグループ、朝日旅行が運営しているのですが、開催は不定期に行われています。トンネルに魅了された人たちで大賑わいをしてるのですが、あくまでも「トンネル歩き」。
車で「ビュー!」ではありません。石原さとみさんと一緒に「ビュー!」とドライブをしている場合ではないのです。ゆっくりと歩いて進むからこそトンネルの新たな顔に巡り合えるのでしょう。
トンネルの魅力はどこにあるのか?
トンネルは交通道路であり、幽霊出没地帯であるのですが、そもそもトンネルはなぜそこにあるの?
トンネルを作るのには莫大なお金がかかります。海の砂浜でトンネルを作るのとはわけが違います。
トンネルが作られた目的や歴史を知ることで、トンネルの見方が変わるかもしれません。
っというのも、トンネルの魅力は深いからです。
例えば、山の中に村がありました。その一方で、下町は栄えています。山の上にいる人が下町に行くには山を何個も越えて行かなければいけません。時間もかかれば安全面から危険が襲う。
そこで、山に穴をあけてトンネルを作る。こうすることで時間を大幅に短縮することができます。山から下町にアクセスしやすくなったことで、物流の流れがよくなります。
このような目的で作られたトンネルは意外と多くあります。新潟県にある熊沢トンネルは石油鉱業のために作られた、まさにこれ。
その他にも可愛らしいトンネルが存在します。例えばこれ。
関門トンネルの入り口ですが、実に可愛らしい。フグ?魚の口の中に入っていくデザインになっています。このようなトンネルなら「幽霊怖い!」という意識は皆無。むしろ魚に消化されないか、そっちの恐怖です。
清津峡トンネルも面白い。
(出典:nakasato-kiyotsu.com)
昭和63年に落石が発生。その後に閉鎖された清津峡渓谷。雄大な清津峡の大自然をより安全に、より安心して鑑賞できるように、1996年10月「清津峡渓谷トンネル」 が誕生しました。全長は750mになります。
展望スペースは「ザ・ドロップ」と呼ばれています。火を象徴している演出。こんな面白トンネルは見たことがありません。「パノラマステーション」では、トンネル内部に貼られたステンレス板に景色が映りこみ、水面に反射しているような演出がみられます。
(出典:nakasato-kiyotsu.com)
素晴らしい。そして、美しい。花田欣也さんが「アミューズメント空間」と呼ぶことの意味が理解できるのではないでしょうか。
まとめ 恐怖のトンネルと癒しのトンネルの共鳴
昔、車で道に迷ったことがあります。
どこをどうしたらあの道に辿り着いたのかわからない。すると目の前に車一台通れるほどの幅しかないトンネルが見えてきました。
どうせすぐに抜け出せると思い、深くは考えていませんでした。でも、このトンネルはとてつもなく長い!1.5kmはあったかもしれません。対向車が来たら最悪!
車一台しか通れないためバックするしかなくなるからです。昼間でしたが電気はないトンネル。真っ暗闇。車のライトだけが頼りです。後ろを見ることができません。バックミラーを見ることができない。見た瞬間に得体の知れないものが写ってたら…。
絶対に見ない。
そう自分に言い聞かせながらようやくトンネルの先から光が見えてきました。ひょっとしたらこのまま天国にいってしまうのでは?トンネルに入った瞬間にすでにあの世の入り口だったのでは?そう思いながら気持ちが焦りアクセルを吹かせる。
ついにトンネルを出ました。
それから数日が経ちます。ある日、偶然にもまた近くを車で通りました。今度は二人乗車しています。そのトンネルの話をして、トンネルの場所へ行ってみることになりました。
でも、そのトンネルはいっこうに見つからない。どこにある?どこにあったっけ?どうしても見つからないトンネル。そのとき、知人から思いもよらない一言が返ってきました。
「そのトンネルって本当にあったの?」
「・・・」
トンネルが見つからずにそのまま帰ったのですが、後日インターネットで調べると確かにトンネルはありました。どうやら道を外れて走っていたようです。ちゃんとそこにトンネルは存在しています。
でも、そのトンネルは地元で有名な「心霊スポット」でした。これは実話です。
ただ、トンネルは恐怖の場所だけではありません。そのトンネルができた背景を調べると新しい発見ができる歴史の詰まった空間でもあるのです。トンネルに魅了される人の気持ちもわかります。
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フジテレビ系にて不定期放送中、ドキュメンタリーの手法を用いてフィクションをノンフィクションに見せるホラードラマのBOX。失踪事件をテーマにした『放送禁止1』のほか、『放送禁止2 ある呪われた大家族』『放送禁止3 ストーカー地獄篇』を収録。
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