夏の昆虫といえば?
「カブトムシ!」
ですよね~?小さい頃に山でカブトムシを捕っては育てていた経験もあるのではないでしょうか?毎年毎年、夏になると山へ行く。
でも自分で卵から成虫まで育ててみたいと思ったことがありませんか?小さい頃は「虫捕り」と「飼育」に全集中していますが、成長すると「その過程も見てみたい!」と思うようになるもの。それは大人になったとしても童心にかえることはできるのです。
むしろ様々な情報が脳の中に入り切った大人になった時だからこそ、生き物の成長過程を実際に見ることで、何とも言えない感動に包まれるかもしれません。
カブトムシは昆虫の王様パラ!強いパラ!力持ちパラ!卵から羽化までできるみたいパラ!
卵から幼虫になるカブトムシ
カブトムシは山に住んでいますが、比較的自然がある住宅地の近くの木にもいます。ペットショップでも買えますが、雄と雌をそろえて虫かごの中へドン!腐葉土や昆虫ゼリーなどで育てていきましょう。
育てていたカブトムシが星になる8月~9月頃、腐葉土の土の中を見てみると…、
そう、うまく交尾をしていれば卵があります。国産カブトムシの大体の卵は3~4㎜の大きさです。産んだばかりであれば綺麗な白色で柔らかめですが、卵は非常にデリケートなので触らないほうがよいでしょう。
卵から幼虫になるまでの日数はおよそ10日~14日で、白色だったものが黄色っぽくなり、また白っぽくなります。誕生した幼虫は小さいですが、腐葉土に含まれる栄養をたくさん食べることで日に日に大きくなるので、幼虫の餌になる腐葉土は重要です。
また、水分をとらなければ生き物は死んでしまうので、霧吹きなどで腐葉土を定期的に湿らせておきましょう。水分が多すぎると危険で、水分が少なすぎるとこれまた危険。適度な湿度がポイントです。土を手で握ると軽い団子が作れるくらいがベスト。
そして大きくなったカブトムシの幼虫は…
(提供:PIXTA)
大きい!色は白色!この幼虫時期を8月~9月頃から翌年の5月頃まで続けます。糞もたくさんするので多頭飼いでは腐葉土の栄養がなくなるため、2~3回くらいのマット交換が必要になります。
幼虫が蛹になる前のタイミング【サナギになる前兆と人工蛹室】
幼虫時期は冬眠状態の期間もあるため、ほぼほぼ放置でいいのですが、カブトムシの飼育で面白いのはここからです。住んでいる場所の気候によりますが、4月後半・5月・6月はカブトムシがサナギになるタイミングがやってきます。
白色だった幼虫がサナギに変態するわけですが、前兆はあるのでしょうか?
あります!
(提供:PIXTA)
あります!
(提供:PIXTA)
色を見ると一目瞭然!白色だったカブトムシの幼虫は、サナギになるタイミングで黄色になるのです。面白い!
このタイミングがわかれば、人工蛹室に移動する時期も把握しやすいですね。黄色くなるとはぼ餌も食べずにじっとしているので、観察しやすいケースに移動しても大丈夫です。
人工蛹室でお手軽なものがトイレットペーパーの芯です。カブトムシの種類によっては、ヘラクレスオオカブトのように横向きで蛹室をつくる種類もいますが、日本の国産カブトムシは縦向きに蛹室を作ります。
ようするに、日本カブトムシを成虫にする場合には、トイレットペーパーの芯を縦向きにおいて、その中に幼虫をいれなければいけません。頭が上をむく状態にします。トイレットペーパーが倒れないように固定しておきましょう。
横向きの場合には不完全な状態で羽化してしまう確率があがります。
適度な湿度を保つために、たまに容器または腐葉土に霧吹きをかけます。幼虫そのものにかけないように注意してください。幼虫はあくまでも土の中にいる想定なのです。
カブトムシがサナギになる瞬間のタイミング
カブトムシがサナギになる瞬間を見たことがありますか?これまた面白いですよ♪
黄色くなっていた幼虫ですが、ある瞬間に幼虫の皮を脱ぎ始めて、雄の場合は角が伸びていきます。そして手足も作られます。
幼虫からサナギになる瞬間は、黄色ではなくクリーム色をしてるんですね。白っぽくてとても綺麗な色をしています。横から観察できるのも人工蛹室のおかげです。
(提供:PIXTA)
少し時間が経つと、だんだんと黄色くなっていきます。面白いですね。
ちなみに、幼虫は角がないのに、突然サナギになるとツノが生えてきます。とても不思議な現象ですが、これは幼虫時代にツノを折りたたんでいて、それがサナギの段階で形を変えたことで伸びていくようです。突然ツノが生えるのではなく、そもそも生まれたときから角を持っていました。
カブトムシの蛹が死んでる?【前蛹が動かない】
サナギになったのはよいものの、必ずしも成虫になるとは限りません。サナギになり死んでしまう個体もいます。
確かめる方法は簡単です。
サナギを入れているケースを少しだけ動かしてみましょう。するとおしりをくねくねと動かします。この場合は生きているのでそっとしておきましょう。死んでしまった個体はいくら揺らしても動きません。
また、色も黒くなります。正常なサナギはお腹とお尻あたりが黄色の状態を維持しますが、死んでしまったサナギはすべての部分において黒くなるので、一つの判断材料になります。
サナギが死んだ=黒色
カブトムシの蛹の期間は?【羽化直前のタイミング画像】
カブトムシが成虫になるのは、今か今かと待ちわびている…、そんな状況です。卵からここまで育てたのなら、羽化の瞬間に立ち会ってみたい!
そうなるとタイミングはいつなの?
カブトムシの蛹は、だいたい5月から7月の約1~2か月間になります。気温が高い状態だと羽化するタイミングも早くなりますが、気温がそこまで上がらない場合は羽化が遅れるという感じです。
面白いですよね。
これも昆虫の本能なのでしょう。
早まって羽化してしまうと外は寒い季節だった!餌もろくにたべられない!寿命がつきるまであと1か月~2か月しかないのに、地上に出てくるタイミングを間違えた!
そうならないように、本能で調整できるのでしょう。すごい!
そして肝心の羽化するタイミングですが…
(提供:PIXTA)
このように頭・手足が黒くなり、しわしわになります。これは羽化する30分くらい前でしょうか?
このくらいになるとサナギが大きく動き、そして次に小さく呼吸をするように動きます。それが止まったかと思えばついに!
成虫になった直後のカブトムシは白色の羽
(提供:PIXTA)
脱皮をして誕生したカブトムシです。幼虫は1年間この日のために沢山栄養を取ってきました。この瞬間をみたらきっと感動するはずです。
誕生した直後のカブトムシの羽は白色。とても美しい色をしています。
そして…。
(提供:PIXTA)
1時間くらい経つとだんだんとオレンジ色に変化していきます。白色の羽はとても貴重です。
さぁ、飛び立とう!新しい世界へ
(提供:PIXTA)
1年前にその場所で採取したカブトムシ。そしてその子供を育て、親がいた場所へ放ちました。観察が目的の飼育だったため。
突然外の世界を見たカブトムシはなんだかビックリしているように見えました。
ちなみに、外国産カブトムシは野生に返せません。最後まで責任もって育てましょう。また逃げてしまうと生態系が壊れる危険もあるので気を付けて管理する必要があります。
夏の風物詩ともいえるカブトムシ。成虫になった瞬間はなんともいえない感動に包まれます。試してみてはいかがでしょうか?
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