面白い雑学

ペトリコールの意味とは?雨の匂いの正体

ふとしたときに懐かしい感じがする。

これはなんだろう?

息を吐いてゆっくりと深呼吸をする。

やっぱり懐かしい。

それから数週間、数か月が経ち、再びあの懐かしい感じがしてきた。これはいったいなに?

そこであることに気付く。

」だ。

懐かしい感じがするときには雨が降っていることが多かった。どこか心地よさも感じられる懐かしい気持ちになることについて、雨が何かしら関係をしているということなの?

アスファルトから香る雨の匂いは懐かしい感覚を呼ぶ

子どもの頃には特に感じることがなかった感覚。少し成長をした頃、高校生くらいから?空気を吸い込んだ直後に懐かしさを覚えることがあります。

それまでは特別、変わったことはありません。普段通りに授業を受けています。例えばこのように。

先生「こら!寝るな!」

「あーいとぅいまてーん!」

芸人「ですよ。」のモノマネをしながら怒られたことを誤魔化す時間が続きます。でも、そのときそれは教室の窓を開けた瞬間でした。

どこからともなく懐かしい感じに包まれたのです。教室に吹き流れる優しい風。その風に吹かれた空気が鼻の中へ吸い込まれていく。外は雨が降っています。カエルも合唱大会をしているようです。懐かしい空気に包まれるのですが、数分経つといつもの空気に戻った気がする。

あの感覚は何なの…?

それから月日が流れていくのですが、大人になったその中でも、ふとした疑問に懐かしい感じに包まれることがあります。

ペトリコールとは?

雨の日に感じやすい懐かしい気持ち。

雨が降りはじめたとき、あるいは雨が降った後には独特の匂いがしてこないですか?いわゆる「雨の匂い」と言われているものですが、この匂いを好きだという人は意外と多くいます。

実は、この独特な匂いは科学的に解明されている部分があるのですが、知っていたでしょうか?通称「ペトリコール」と呼ばれているもの。

雨の匂いの正体とは

研究により雨の匂いはペトリコール(Petrichor)と呼ばれることがわかりました。

ペトリコールはギリシャ語を語源とした「石のエッセンス」という意味をもつ造語。ギリシャの「stone」を意味する「petri」と、ギリシャ神の血液を意味する 「ichor」を1つにした言葉です。

1960年代になると、オーストラリアの科学者が論文で用いはじめたことで広まるのですが、この言葉は、「暖かく乾いた天気が続いた後に、雨が降ったときのよい香り」を意味する言葉として使われています。

なんと、一個人だけの話ではありませんでした。日本人はおろか、世界中の人が雨が降ると懐かしい気持ちになっていたのです。懐かしい気持ちになると、なんだか心が優しくなった気がする。世界中に雨が永遠と降り続ければ、紛争も喧嘩もなくなるかもしれない。

…。いえ、雨が永遠に降ると災害も増える。冷静になって考えてみるとマイナスの部分が多いです。雨はたまに降るからいいのです。

油や菌など

研究により、雨の匂いを作り出す原因物質は、岩石などに含まれている油だということを突き止めました。この成分は植物に由来するもので、放出後は岩石などに蓄積されるといわれています。

この他にも土壌細菌が作り出す「ゲオスミン(ジェオスミン)」など、複数の物質が、雨の匂いを作り出していることがわかりました。

雨の匂いは自然の匂いと言っても過言ではありません。

実験によりペトリコールのメカニズムを調査

「なんで雨が降ると懐かしくなるのか?不思議だ~不思議だ~」。

気になったらとことん調べたいのが科学者。この世には解明されていないことが多くあるのですが、そのほとんどの事柄は科学の実証実験などによって解決しています。そうなると、ペトリコールの謎も解決したいと思うのが科学者の心情です。

マサチューセッツ工科大学が調べました。

ハイスピードカメラで落下する雨粒を観察した結果、砂などに衝突したとき、気体中に浮遊する微小な液体や固体の粒子「エアロゾル」を発生することが判明。

つまりどういうこと?

雨が降ったことで土や岩石にたまっていた匂いの元が吹き上がる。土壌内にある物質を大気の中へ再浮遊させていたのです

でも不思議なこともわかりました。なんと、大雨ではエアロゾルの発生確率は低い。中程度の雨が降ったときに高確率で吹き上がるという。

確かに大雨の日には懐かしい感じを受けた記憶がありません。どちらかと言えば、「雨に濡れる!最悪!水たまりを踏んで帰る!」という悲しい気持ちしかありませんでした。帰り着いたのはいいのですが、靴の中はびしょびしょ。次の日には靴が乾ききらない、なんとも言い難い臭いを足の下から引き連れて学校にいくしかない…。

雨の匂いにより懐かしい気持ちを感じるには、中程度の雨でなければいけない

小雨や土砂降りでは感じることが難しい。土砂降りでは吹き上がったエアロゾルや菌などを雨で再び押さえつけてしまうのでしょう。小雨は雨の勢いが弱すぎてエアロゾルなどを吹き上げるまでにはいかない。

中程度の雨が絶妙だということ。

雨が降る直前・雨の降り始めに感じることができる香りがペトリコールです。雨が降ることで地面がぬれると消えることが多い。

そして、雨が止んだ後の匂いは、「大地の匂い」と呼ぶ人もいます。「雨の匂い」が心地よいと感じる一方で「大地の匂い」は、ゲオスミンと呼ばれるカビ臭が原因になることがあります。ペトリコールには「ゲオスミンの匂い」や「オゾンの匂い」も含まれています。

ペトリコールは、自然界のさまざまな匂いが混じりあったもの。

蘇るあの日の懐かしい記憶

懐かしい気持ちになると、幼い頃の空気とタブらせてしまうことがあります。なんだか、タイムスリップにのって自分が小さかった頃の世界に入り込んだ、そんな感覚。

実は、この感情も匂いが関係をしています。ペトリコールの香りにより懐かしい記憶を呼び覚ましているともいえるでしょう。

特定の匂いを嗅ぐことで、それにまつわる過去の記憶や感情が蘇ることを「プルースト効果」と呼ぶのですが、匂いは感情や本能を支配する大脳辺緑系に直接届いた後に、五感を認識する大脳皮質に進みます。

つまり、嗅覚は匂いを認識する前に本能的な感情を引き起こしている可能性があるということ。

人の身体には「反射」があります。加熱した鍋の容器に指が触れてしまうと、すぐに手をはなす。熱いという感覚を待っていたら火傷をする危険があります。そのため、脳に情報が送られる前に手をはなす本能が備わっています。これが反射。

危険な匂いも瞬時にかぎ分けないといけません。そのため、人は匂いに関して記憶する能力が優れているのです。ペトリコールの香りにより記憶が幼い時間に戻されているのかもしれません。

公園の砂場で泥だんごを作りながら遊んだ記憶はないですか?砂場遊びをしていると、たまに「かりんとう」が落ちていることもあります。おそらく、「ニャー」と鳴く生き物の落とし物でしょう。

何も知らない子供と、情報がある程度入り込んだ大人の脳。多くの記憶は幼少期に蓄積をされています。雨の日に香った土の匂いが幼い頃の記憶として確立。

懐かしい感覚はこの頃の記憶である。

大人になると時間が経つのが早い理由も同じです。子供は外部から出てくる情報を吸収する量が多く毎日が新鮮。大人の情報はある程度一定しています。この差により、大人は時間が経つのが早く感じます。

大人になっても習い事などをおこない、新しい情報を毎日脳に流してあげると、1年に感じる時間の感覚が伸びるはず。

まとめ

ペトリコールが好きだという人は、雨の降り始めに楽しい思い出があったのかもしれません。逆に、ペトリコールが嫌いという人は、雨の降り始めに嫌な思い出があったのかも知れない。

人の身体の構造は実に面白いですね。

【関連】大人と子供で時間の感覚が違うのはなぜ?ジャネーの法則とは?わかりやすく説明

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