みんな大好きなメダカ。メダカは保育園・幼稚園・小学校などさまざまな場所で生き物の生命の流れを伝える教材としても使われています。
「メダカはろ過フィルターがいらない」
「メダカは水流がないほうがいい」
このようなことを聞いたことはないですか?フィルターを設置するとバクテリアの繁殖により水質が改善されます。しかしフィルターによりどうしても水流が発生してしまう。
投げ込み式フィルター、底面式フィルター、上部式フィルター外部式フィルター、外掛け式フィルター、水槽の中を綺麗に保つため、必要なろ過装置の種類はたくさんあります。
濾過フィルターは水の匂いなどを活性炭などを使用し消臭する化学濾過、目に見えるゴミなどを水槽の外に出す物理濾過以外にも、バクテリアを効率よく定着させて水質を安全なものにかえる生物ろ過と、重要要素があります。
メダカに濾過フィルターは必要パラ?
メダカ飼育、濾過フィルターのデメリット
太陽光が当たって、溶岩石や水草を入れていたらバクテリアや水草が水を安全なものに変えてくれます。
しかし、室内でガラス水槽を使う飼育は酸素の供給も水質管理も楽になるので、濾過フィルターがあったほうが各段に便利です。
バケツにメダカを入れてぐるぐる回したらメダカが流れと反対側に泳ぎます。川の魚は流れに逆らって泳いでいるのが普通です。泳げないと海に行ってしまいます。
しかし、それは本能によるもの。生物の飼育では、魚の生息地に合わせた環境を作らないといけません。メダカが住んでいるのは比較的流れが緩やかな田んぼや用水路、池、沼。
フィルターといっても「投げ込み式フィルター・底面式フィルター・上部式フィルター・外部式フィルター・外掛け式フィルター」など多くの種類が存在します。
フィルターには水槽の中に浮遊しているゴミなどを吸い取ることで綺麗な水を保つ役割がある。水の匂いなどを活性炭などを使用することで消臭する「化学濾過」、目に見えるゴミなどを水槽の外に出す「物理濾過」、バクテリアを効率よく定着させて水質を安全なものにかえる「生物ろ過」。
ろ過フィルターには生態を安全に育てる仕組みがある。
これを「いらない」という声。たしかに屋外ではそこまで重要性はありません。強烈な太陽光が当たることで水中にバクテリアなどの細菌が繁殖。溶岩石・水草を入れることでバクテリアが住処にするため効率よく水を安全なものに変えてくれるからです。
太陽光はそれほど自然にさまざま恩恵を与えています。
しかし室内のガラス水槽を使う場合はどうでしょう?屋外では風などで水面が揺れることにより酸素が効率よく水の中に溶け出します。室内では無風。風があるとしたら飼育者の鼻息くらい…。
ろ過フィルターを設置すると酸素の供給も簡単です。酸素が大量に水中に溶け込むとバクテリアが活発に動きだします。物理的なゴミも取り除くことも可能です。
このようなことから室内水槽では濾過フィルターがあったほうが各段に水槽内の水を綺麗に保つことができるのではないでしょうか。
ただし屋外ではそこまで必要性はありません。ビオトープ環境で育てたメダカはフィルターなしで問題なく生きていることを確認しています。
ガラス水槽、メダカ飼育で適切なフィルター選び
メダカを飼育する場合に適したフィルターはどれがいいのでしょうか?
濾過フィルターがない危険
ガラス水槽で飼育する場合、フィルターがなくても飼育は可能です。バクテリアと適切な光、適切な水換えなどがあれば問題ありません。
しかし、水中内に様々なゴミなどが混入すると、それを餌と間違えて食べてしまう危険性があります。
例えば糸くずや猫・犬・人間の毛など。長いものだとメダカが飲み込めず、エラなどにひかかり、餌を食べることが出来なくて衰弱死する恐れもあります。
フィルターなしの場合はこれらのゴミが水中に浮かんでいるため、メダカの口から人の髪の毛や猫の毛など、哺乳類の毛が出ていることもあります。また、ゴミが沈殿物となり水槽の底に溜まりやすくなります。
メダカが自力で取れない場合は、魚用の小さな網ですくい、ゴミを手でつまみ取ってあげましよう。
運が良ければ助けることが出来ますが、エラと口を貫通するようにゴミが詰まっている場合はエラを傷つけてしまうことで呼吸がうまくできなくなり死んでしまうこともあります。
そしてメダカには極力触れないでください。人間の体温は水中生物にとって高温になることがあります。
人間に触れるだけで火傷してしまう魚もいるのです。ちなみに漁業や生け簀をしている漁師もあまり魚には触れません。人間が触れてしまうと体温が上昇して変色や鮮度に影響を与えてしまうからです。
また、止水の場合は水面に油膜ができやすく、酸素が欠如してしまう可能性もあります。バクテリアが死に、水草が死に、そしてメダカも死ぬという最悪な結末になってしまう恐れがあります。
室内飼育ではろ過フィルターを設置したほうが有利。ただし育てられないわけではありません。水を2L程度置いてメダカを入れるだけで生きることができます。生態は適応能力があるため一概に言えないのです。
生きるメダカもいればすぐに死んでしまうメダカもいる。
でも、ろ過フィルターを水槽に設置したときに注意をすることがあります。小学生の頃に実験をしませんでしたか?
バケツにメダカを入れてぐるぐる水を回す。水流が発生し水はぐるぐると回り出す。するとメダカが流れとは反対側に泳ぎ出す。
考えてみると当たり前の行動です。メダカは川で育つ生き物。川の流れに任せて気分よく流れていったらどうなるのでしょう?
汽水域と突破して海に流れついてしまう。
淡水魚であるメダカは浸透圧の関係から確実に死んでしまいます。上記でも少し触れましたが、そうならないようにメダカは本能で水流とは逆向きに泳ぐ習性があるのです。
生物の飼育では魚の生息地に合わせた環境を作らないといけません。メダカが住んでいるのは比較的流れが緩やかな「田んぼ・用水路・池・沼」。
ろ過フィルターの水流が小さな水槽の中で洗濯機のように回っていたらどうなるの?
メダカ「いやっほ~流れるプールみたいで楽しい~♪」そんなこと思うわけがありません。メダカ「誰かとめて~!いや~!ぎゃあぁああ!」どちらかというとこっち。
メダカは本能でグルグルと回る水流に流されまいと必死に泳ぎ続けます。しかし水流は止まりません。泳いでも泳いでも水流が弱まる場所がないのです。
これは自然界ではありえないこと。
やがて疲れ切ったメダカは過労死で死んでいく。では、ろ過フィルターを使う場合にはどうしたらいいのでしょうか?ろ過フィルターの選び方が重要です。
水槽別、濾過フィルター選びと使い方のポイント
このようなリスクを回避するために物理濾過能力のあるフィルターが役立ちます。
メダカに水流は危険
人間も24時間365日、常に動き続けたら過労死をしてしまいます。一般的な濾過フィルターは水流を発生させてしまうという、メダカにとってはデメリットがあります。
メダカを含む魚も同じように常に運動をさせる環境で飼育すると水流により過労死します。(ジンベイザメなど常に動き続けないと死んでしまう魚もいます。)
冬になると水中深くで冬眠状態になりますが、水流が激しい場合は身体を休めることが出来ないのです。
メダカに水流は必要
メダカにも水流がある程度は必要ではないかと思います。そもそもメダカが住んでいる生息地も雨が降ると増水し、水の流れが強くなります。
そして水流が水槽内にあるとメダカは楽しそうに泳ぎます。これは他の川魚も同様です。自ら水流に向かって遊ぶのです。
実はこれ、水流があることで身体についたゴミや細菌などを落としているとも言われています。
ちなみにこの行為は砂や石、流木などでも、身体をこするため、よく観察をしていると見ることが出来ます。
重要なのは「水流0.5:止水9.5」の環境を水槽内に作ること。この法則で泳ぎが下手なメダカが自由に水槽内を泳げる環境を作ります。
これはメダカが休める場所を作る意味合いも持ちます。そして小さな水流を作りメダカを遊ばせて運動とストレス発散をさせるのです。
人間も運動をしないと健康が害されていきますが、メダカも同じ生物なのである程度の運動は必要だと考えます。
かといって、水流がまったくない環境でもメダカは長生きします。重要なことは水流によって水槽の隅々まで酸素が行き届き、酸素が十分にあると、バクテリアが繁殖し、メダカが喜ぶ水質の安定にも期待出来るということ。
30cm水槽と90cm水槽では水流の流れが大きく異るので濾過フィルターの選び方に注意しなければいけません。
30cm水槽~45cm水槽
30cm水槽の場合は水流が調整できるジェックス コーナーパワーフィルターやテトラ (Tetra) のスポンジフィルターがおすすめです。
特にテトラ (Tetra) スポンジフィルターは水面よりも排水口を上に上げることで水流を抑えることが出来ます。
外掛け式フィルターの場合は水流が意外と強いので注意が必要です。使用する場合は、水流に流木などをぶつけるレイアウトをするといいかもしれません。
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60cm水槽~90cm水槽
60cm水槽になると幅を稼ぐことが出来るため、投げ込み式フィルターを使用しても大丈夫です。
大量の泡の発生で水面が過剰に揺れ動く場合は、ニッソーエアー三又分岐、二又分岐(200円程度)を利用してエアーの量を調整しましょう。個体によってはエアーポンプから出された泡で遊ぶものもいます。
上部式フィルターでも問題ありません。しかし上部式フィルターや外部式フィルターの場合は水槽に戻って来る水量自体が多いため水流も大きくなります。ガラスに跳ね返しても水流が水槽の3分の2ほど発生します。
上部式フィルターの場合は排水口の入り口に綿などを置くとある程度水流が止まりますが、調整が難しく、うまくいかない場合は水流が増えたり、緊急用の排水口から溢れて水槽内に落ちます。
なんとかいろいろ工夫してみましたが上部式フィルターで水流を簡単に弱くすることは不可能でした。
結果、エルボなどのパイプは使わずに『垂直に水を落とす』ことが最も水流を発生させず、メダカも自由に泳ぐことが出来、水槽内も綺麗になる方法です。上部式フィルターから落ちてくる大量の水は垂直に落下し、水槽の水の一部分を動かします。
その動きにより非常にゆっくりと全体の水が動きます。これにより酸素も効率よく供給されます。水が落ちてくるので、跳ね返った水が多少の水流を生み出し、メダカがその水流で遊びます。
強烈な落下水の中に入ったメダカはビックリして水圧から下の方に押されますが、すぐに脱出。
次からはこの激流の中には入らなくなったので、恐らく危険な場所と認識しているようです。水の勢いで底床が飛散して削れていきます。
レイアウトなどを利用して底床に直接落下水が触れないように、石や流木などを配置しましょう。90cm水槽も同じです。幅がさらに広くなるためメダカの休憩場所をたくさんとることが出来ます。
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水音問題
水を上から落とすと音がすごいことになります。水の音が苦手な人は耐えられないかもしれません。
デュアルクリーン 600の場合は水槽満タンに水を入れると排水口と水面が接するため、ほとんど音はしなくなります。
コトブキトリプルボックス600の場合は、排水口に拡散式エルボを付けていないと、排水口の側面から直接水が落ちるので水槽を満タンに入れても音がある程度大きくなります。
市販されているホースを水面まで伸ばすように加工することをおすすめします。
大原則の注意点「稚魚」
注意としてメダカの稚魚にはどれも値しません。
メダカの稚魚は少しの水流でも流されます。2ヶ月以上のメダカなら問題ないと思いますが、飼育環境にあるメダカの稚魚は止水が鉄則です。
エアレーションの量を調整して、極めて微量な水流なら大丈夫です。
まとめ 水の流れに気を付ける
メダカは基本的に水流が苦手。でも、水流を水槽内で加えることで多くのメリットがうまれます。
室内水槽では弱い水流をつくるといいでしょう。屋外水槽ではそこまでこだわらなくても問題なく生きることができます。屋外水槽ではガラス水槽とは違い横から見ることもないため汚れもそれほど気にしなくていいことから物理ろ過の心配がありません。
そのことを考えると、外飼育でのろ過フィルターの必要性はどちらかというと「人間側にとって都合がよい」といえるのかもしれないですね。
メダカに適したろ過フィルターは水流の強さに注目します。洗濯機のようにグルグルと回る水流を作ってしまうと疲れ果てて体力がなくなります。水槽の一部に弱めの水流を発生させる程度にとどめておきましょう。
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