シマウマの縞模様はいったいなぜ、あのようなスプライト模様になっているのでしょうか?
「あの縞模様をずっと見ておくと酔ってくる…」
それはシマウマが生きるための知恵なのでしょうか?
気になりませんか?
同じ仲間の馬は茶色や白、黒など単色が多いのですが、なぜかシマウマだけがスプライト模様。
いったい何のためにシマシマ模様になっているのでしょうか?
シマウマのシマを見ると目が回ってくるパラ…。
なぜシマウマは縞模様なの?シマ模様の意味
シマウマの縞模様には、これまで科学者らがさまざまな見解を見せてきました。
シマウマの縞模様が白黒のシマシマになっている理由として、主な説が次にあげられます。
- 縞模様は虫を寄せつけないため
- 縞模様は目の錯覚を利用し、カムフラージュするため
- 縞模様は捕食者を惑わすため
- 縞模様は体温を下げるため
- 縞模様は個体同士の識別のため
「どれも納得できる説!」
シマウマの縞模様の謎が解明!「ツェツェバエ」
これまで多くの学者が議論してきましたが、そんな中、シマウマの縞模様がなぜシマシマなのか?
ついに終止符が打たれました。シマウマのしま模様は、ツェツェバエなどの吸血バエを寄せ付けないためにある。
なんとハエから身を守るためにあの柄になっているというのです。
そう結論づけたのは、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)。
ツェツェバエとは、アフリカ南部に生息するで吸血性のハエです。
(出典:natgeo.nikkeibp.co.jp)
このハエの一部が感染型の「トリパノソーマ」という菌を持っています。
吸血されると感染してしまうのです。
アフリカ睡眠病(病状が進行すると睡眠周期が乱れ朦朧とした状態になり、悪化すると昏睡して死に至る)疾患は、ツェツェバエが媒介する寄生性原虫トリパノソーマにより引き起こされ、人獣共通感染症として恐れられているハエです。
「恐怖のハエ!日本にいるうっとうしいハエのレベルではない!」
1870年代以降、進化論をそれぞれ提唱した英国の自然科学者チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)とアルフレッド・ラッセル・ウォレス(Alfred Russel Wallace)が火付け役となり発生した議論の中、科学者らはシマウマがトレードマークの縞模様をどのようにして持つに至ったかをめぐる論争を続けてきました。
米カリフォルニア大学デービス校(University of California, Davis)のティム・カロ(Tim Caro)氏率いる研究チームが、2012年に研究室で行われた実験により、吸血性のハエは、しま模様のある面を避けて色が均一な面に着地するのを好むことがこの実験で明らかになったと発表。
研究では、しま模様は寄生性のハエの危害を防ぐためにある可能性が最も高いと結論付けています。
「シマウマはハエが嫌いだった」
裏付け証拠
野生のウマなど、ウマ科動物は吸血性昆虫に攻撃される確率が非常に高いこと。
そして、シマウマを覆う毛はキリンなどに比べて短く細いにもかかわらず、シマウマの血液はツェツェバエの体内からほとんど検出されないことなどがあげられます。
まとめ シマウマはハエが嫌い
危険な生物から自分を守れるかが、弱肉強食の世界で生存する重要な鍵になります。
シマウマはその縞模様のお陰で、他の動物よりもハエの感染による病気が少ないのです。
アフリカの大地。
ライオンなどの大型天敵から、昆虫などの小さな天敵までいます。その中で懸命に命を繋ぐシマウマの美しさがそこにはあります。