【UVマップ】オブジェクトにテクスチャを適用する方法

第4章【設定】

オブジェクトには色を塗ることができます。色を塗ることでオブジェクトにメリハリが出るため、見せる側へ印象を残しやすくなります。

Blenderで色を塗るにはマテリアル機能を使うことで可能になると前回学びました。しかしマテリアルは主に単色の設定になります。現実世界では実に細かな色彩があちらこちらにあるため、単色だけではリアリティー溢れる作品を作ることが難しいです。

例えば「木」。

木に色を塗ろうと思い、絵具を取り出すと、その色は「茶色」ではないでしょうか?でも、木は茶色だけではありません。濃い茶色もあれば薄い茶色もあります。黒っぽい部分もあれば苔が生えて緑っぽくなっている場所もあるでしょう。

このように、マテリアルだけでは色を塗る限界があります。そこで使うのが「テクスチャ」機能です。テクスチャは画像や動画をそのままCG内に取り込んで画像を出力する機能になります。

オブジェクトに色を付ける方法

Blenderでテクスチャ機能の使い方

Blenderには「テクスチャ」機能が搭載されています。マテリアルでは再現が難しい色を、画像を使うことでリアルに再現することができる機能です。

カメラで撮影した画像を張り付けるのもいいですし、自分で絵を書いてそれをCG内にあるオブジェクトに張り付けることもできます。

『プロパティ』項目にある『テクスチャ』アイコンをクリックしましょう。『タイプ』をクリックすると、さまざまな文字が出現しました。「木目・ボロノイ・凹凸・マジック…」など、いろいろとありますが、これは画像・動画を使用しない場合に、マテリアルと連携することで複雑な色を作ることができる機能です。

「木のテクスチャ画像がなくても簡易的な木目模様はつくれますよ」みたいな感じです。マテリアルをさらに複雑にした色を作ることができます。通常は画像で代用する人が多いですが、いろいろ試してみてください。

UVマッピングの設定方法

まずは下記の画像をダウンロードしてください。マウスで『右クリック』を押したら「名前を付けて画像を保存」という項目があるので、デスクトップなどに保存しましょう。

区切り線を付けていないので、なんの画像なのかわかりにくいですが「サイコロ」の画像になります。サイコロを鯵の開きのように展開した状態です。画像はPNG形式になっていますが、PNG画像は背景を透明にすることができる形式です。JPEG・JPGは背景が付きます。

CG制作ではどちらの画像形式でも使うことができますが、背景のないPNG画像のほうが使い勝手がいいことが多いです。自分の使いやすい形式で問題ありません。ここではPNGのまま使いましょう。

それでは、サイコロのテクスチャを実際にオブジェクトに張り付けていきましょう。貼り付ける方法は「UVマッピング」と呼ばれるものです。

Blenderを起動しましょう。中央には立方体がありますが、この立方体にサイコロのテクスチャを貼り付けます。

作業がしやすいように、3DView画面を分割します。分割の仕方は「第2章」を参照。

もう一つ、画面を増やしましょう。合計3つの3DViewが表示されました。

右側の3DView画面を切り替えます。まずは下の画面からかえましょう。矢印の部分『エディタータイプ』をクリックします。すると、たくさんの文字が表示されました。その中から『UVエディター』を選んでください。

すぐ上に「UV画像エディター」という似たような名前がありますが、間違えないようにしましょう。下のほうです。

右下の画面が切り替わりました。次に右上の画面を切り替えます。『エディタータイプ』をクリックして、その中にある『シェーダーエディター』を選択します。「シェーダーエディター」は、昔(Blender ~v2.79)で言う「ノードエディター」のこと。

これで準備が整いました。右上の「シェーダーエディター」画面は同じ画像でしょうか?もしも何も表示されていない場合は、立方体にマテリアルが追加されていないためです。

立方体を『左クリック』で選択してから、「プロパティ」にある『マテリアル』アイコンをクリックしてください。マテリアルの項目に「新規追加」と表示されているのでクリックしましょう。

マテリアルが適用されたら、「シェーダーエディター」画面がこのようになります。現在の設定は、立方体にマテリアルが追加されている状態です。これにサイコロのテクスチャを加えます。

「シェーダーエディター」画面にマウスを移動させ、その上でキーボードの『Shift → A』を押します。すると、「追加」画面が表示されました。

その中から『テクスチャ』を選択すると、子画面に『画像テクスチャ』があります。クリックしましょう。

上記画像のように、『カラー』から右の『ベースカラー』につなげてください。左クリックで黄色の丸を押して、そのままドラッグでつながります。

キーボードの『Shift → A』を押して、「追加」画面の『入力』から、子画面の『UVマップ』を選択します。UVマッピングは、オブジェクトが座標を移動しても、同じ座標を維持する機能です。通常、動かすオブジェクトには設定します。

上記画像のようにつなげます。

サイコロの画像をBlenderに取り込みます。矢印の先にある「フォルダ」アイコンをクリックして「saikorotx.png」画像を設定しましょう。

右下の「UVエディター」画面にある矢印の先にある『ピクチャー』アイコンを押してください。すると、現在Blenderの中に取り込まれているすべての画像が表示されます。

一番上にある画像はレンダリングに使う画像です。その下に先ほど読み込んだサイコロの画像が表示されています。現在、このBlenderには2つの画像が認識されているという意味です。

「saikorotx.png」をクリックしましょう。

すると、サイコロの画像が表示されました。

キーボードの『Tab』で「編集モード」に切り替えてください。すると、右下のサイコロ画像の上に線が出現しました。

リアルタイムで色の変化がわかるように表示を切り替えます。矢印の先をクリックして、ルック開発(シェーダーレンダー)編集に変更しましょう。

小さいモニターを使用してるときには、切り替えボタンが隠れている場合があります。左の3DView画面を少し広げましょう。境界線にマウスをもっていき、「← →」マークが出たら、そのまま右のほうへドラッグするとエリアが広がります。

または、「3Dビューポート」のツール欄にマウスを移動させ、マウスの真ん中を押して左にドラッグをすると、表示項目をずらすことができます。

サイコロが3DView内に表示されました。でも、何かがおかしいです。側面にサイコロ模様がありません。

実はこれ、右下のUVエディターがしっかりとオブジェクトの位置を確認できていないために起こる現象です。

上記画像の側面が白と黒の模様になっていますが、これは右下の透明部分、つまりサイコロのマス目がない部分に側面が位置しているためです。

UVエディター画面にマウスをもっていき、キーボードの『A』で全選択してください。「A」は全選択のショートカットキーです。

位置を修正します。マウスを「UVエディター」画面の上にもっていき、キーボードで『R → 180』と入力します。

「R」は回転するショートカットキーです。UV画面でも使用することができます。つまり、オブジェクトの位置を180度回転して、テクスチャ画像に合わせた状態です。

キーボードの『S → X』を押して、画像に合うように広げます。「S」は拡大・縮小のショートカットキーです。つまり、X軸ほうこうへ拡大した状態です。

サイコロの画像にピッタリはまったでしょうか?左の3DView内を見てみると、見事にサイコロが完成しています。

キーボードの『Tab』を押して「オブジェクトモード」にします。完成です。

まとめ

Blenderのテクスチャは使用頻度が多いです。UV機能は頭がごちゃごちゃしてしまいやすいですが、CG制作では必ず必要になる機能なのでマスターしましょう。

Blenderのカメラ設定と使い方